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⚠自己満夢小説
⚠お相手→狗巻棘
⚠夢主と狗巻は恋人設定
⚠夢主と狗巻は同い年(2年生)設定
■ キ ス の 代 償
「ふう…。疲れたぁ」
ペンを置いて一息つき、ぐーっと背伸びをする。
正面に座る彼…、棘くんは、頭を抱えながら手元の原稿用紙と睨めっこをしていた。
そして、
「おかかぁー!」
と遂にはペンを放り出して天を仰いだ。
休日だというのに教室で2人、紙とペンに悩まされる私たち。
まあ真希ちゃんのスカートを勝手に履いた事で夜蛾学長に反省文を書かされている棘くんは、自業自得なんだけど。
一人教室で書かせるのは流石に可哀想で、私は昨日の夜に終えた任務の報告書を隣で書いているのだ。
「ダメだよ棘くん、書かなきゃ学長は許してくれないよ」
「すじこ…(地獄…)」
「その地獄を作ったのは紛れもない自分だけどね」
私の言葉が胸に刺さったのか、ガーンと心ここに在らずな顔で遠くを見る棘くん。
自分の彼氏ながらしょうもない。
「よし、私は終わったよ」
「高菜ぁ!(行かないで!)」
「もう…。待っててあげるから早く終わらせなさい!」
「しゃけ〜(はいママ〜)」
「誰がママじゃ!」
ニシシ、といたずらっ子みたいに笑う棘くん。
その笑顔にすっかり毒気を抜かれてしまった私は、真面目に机に向かい始めた棘くんを、頬杖をつきながら眺めることにした。
女子も羨ましがるような長いまつ毛は伏せられて、陽光と共に頬へ影を伸ばしている。
オフホワイトの髪の毛に負けないくらい色白な肌に、制服で隠れた口元まで整ってるときた。
天性の美貌だ。お風呂上がりに乳液をぺちゃぺちゃ付けてるだけなのを私は知ってる。恨めしい。
「ツナマヨ…、(ちょっと…)」
「ん?どうしたの?」
「た、高菜、明太子…(見過ぎ、じゃない…?)」
「!」
困ったような上目遣いで見られてズキューンと胸が高鳴った。
耳が真っ赤に染まっていて、整った眉は恥ずかしげにひそめられている。
はっきり言う。ものすごく可愛い。
「照れてる?可愛いね」
「!!?。お、おかか!おかかっ!」
「あはは〜、顔が真っ赤っか」
「ツナ…ツナマヨ(余裕なのムカつく)」
「はいはい、集中しようね」
「明太子!(誰のせいだと!)」
ペンを持つ手がわなわなと震えている。
恥ずかし過ぎて震えてしまっているのが少し可哀想なくらいなので、私は席を立って窓辺に向かった。
「あと少しでしょ?終わったら皆と合流しようよ。ほら、グラウンドで稽古してる」
「…しゃけ」
不満気な声で返事が聞こえたのを最後に、教室にはペンが紙を走る音だけが続いた。
グラウンドから真希ちゃんや野薔薇ちゃん達1、2年の声が少し聞こえる。
しばらくして鳴ったイスを引く音に顔を上げると、棘くんが歩み寄ってきた。
「終わった?」
「しゃけ〜(ばっちり)」
「じゃあ先生に渡してからグラウンドに出ようか」
そう言って窓の縁から手を離そうとすると、棘くんの手が上から被さって阻止された。
目を逸らしながら、制服に更に深く口元を埋める。
恥ずかしがってる時に棘くんがよくする仕草だ。
「いくら、こんぶ…?(もう少しだけ、ここにいない…?)」
焦れったく甘い声と仕草に、声も出せずに頷くことしかできない。
ふわりと白いカーテンが揺れて、私の視界を遮った。
「わっ」
「ナマエ」
「!」
滅多に聞けない、私の名前を呼ぶ棘くんの声。
私の体を覆ったカーテンの中に棘くんも入ってきて、白くて狭い空間にふたりきり。
口元のチャックをゆっくり下げてゆく彼の二藍の瞳から目を離せなくなった。
頬に添えられた手から伝わる体温が心地よい。
どちらからともなくそっと触れるだけのキスをした。
「…今日はサボっちゃおうか」
私の言葉に棘くんは返事も頷くこともせず、ただ手を握って歩き出した。
真希ちゃん達になんて言い訳しようなんて考えながらも、頭の中は二人で過ごす午後のことでいっぱいで。
廊下に出て、窓の外の風景が流れていく。
教室には、向き合うように移動されたままのイスと未提出の反省文だけが残されたのだった。
コメント
2件
とてつもなく大好き鼻血案件だよ‼️😻 棘が照れてんのほんとに可愛いし普段おにぎりの具しか喋らないから日本語喋ってくれるとギャップえぐすぎてまじ溶ける🫠💖 めろの今年の目標は棘のおにぎりの具を完璧に翻訳することです。