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教室で奴隷に奉仕させるのをやめたといっても、あくまで教室の中だけの話。今日は美紅たち四人に旗持ちをさせている。

旗にはそれぞれこんな言葉が刺繍されている。

〈横浜デビル〉

〈世界征服〉

〈悪は正義〉

〈暴君音露降臨〉

美紅が振りかざしている最後の旗の言葉が気に入らない。ちょっと多く敵を殺してしまったけれど、余の内政と外交には一点の陰りもなく、余が三十年魔王として君臨したモーゼフ魔王国は栄華を極めた。余は暴君ではなく名君なのだ。

横浜デビルとは余の世界征服の夢を聞いたブラックベアーの内藤慎司が結成した地元横浜の不良少年グループの集合体。余が総長となり、ブラックベアーを始めとしてその後抗争して破った敵を次々に吸収して、現在では構成メンバー百五十人を誇る。

横浜デビルの快進撃に危機感を募らせた横浜各地の団体が大同団結し、結成されたのが横浜連合。総長は佐藤湊。カリスマ的強さを誇り、横浜中に名を知られた有名人だという。

しばらく小競り合いが続いていたが、今日とうとう横浜連合との決戦のときを迎えた。向こうが指定した河川敷に横浜デビル全員で乗り込んだ。待ち構えていた横浜連合の人数はざっと千人――

幹部たちで作戦会議を開いた。まず慎司に聞かれた。余に何本か歯を折られているから、口を開けるとあるべき歯がないのがどうにも痛々しい。

「総長、どう戦いましょうか」

「味方を半分に分けて、半分は余とともに正面から敵に突っ込む。残り半分は敵の背後に回り、挟み撃ちにせよ」

「ただでさえ向こうと比べて人数が少なすぎるのに、さらに半分に分けて戦うなんて自殺行為だ」

最近、横浜デビルに参加した連という男が泣き言を言ってきた。

「じゃあ、おまえは連合側で戦え」

「いいんですか。喜んでそうさせてもらいます。おれたちを手放したこと後悔しても知りませんからね」

「後悔するのはおまえの方だ」

慎司がそうつぶやいたのが聞こえたのか聞こえなかったのか、連は三十人ほど引き連れて横浜連合に投降した。これで味方は百二十人。

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