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家に帰れなくなると聞いた時はとても驚いたがせめて帰れなくなると説明させて欲しいというと一瞬だけ帰してくれると言ってくれた。
「家の事をしっかりイメージすると帰れるから」
と、言われ不思議に思いながらも頑張って家を思い出した。すると不思議な空間が開いた。
「え、ここに入るの?」少し嫌そうに言うとイルカは笑顔でその中に入って行った。しばらくして目を開けるとそこは自分の家のお風呂場だった。
私服のままでお風呂に浸かっていたため服がびちょびちょになっていた。親に必死で説明した。
「しばらく家に帰れないから」
「どうしてよ?」
「不思議な友達が出来たんだけど、怖い人達に怒鳴られてて、その人に体当たりして友達を助けたから恨みを買ってるかもしれないの」
「はぁ?あんた何でそんな危ない事をしてるの!」
「仕方ないでしょ!友達を助ける為だったの!」
「だからってどうして帰れなくなるのよ、家から出なかったらいいじゃない。」
「それでも、もしバレたら凄く危ないかもしれないでしょ? 」
「子供が危ない目に遭っててそれを知らないフリをして暮らす方が大変に決まってるでしょ!
私は親なんだから貴方を守る義務があるわ。」
「その子供が大丈夫って言ってるんだからいいじゃない! 」
「わかったわ、じゃあもし、認めるとしてどのぐらい帰って来ないのよ」
「分からない」
「それじゃあ行かせられないわよ」
「嫌だ!絶対行くから」
「わかったわいいわよ、その代わりに私の言った事をちゃんと守るのよ?」
「わかった!」
やっとわかってくれた。
「次から危ない目に遭うことに絶対一人で突っ込まない。もし大変な目に遭ったらすぐに家に帰って来る事。もし何処かでお世話になったら絶対にお礼を言う事。」
「うん!」
「最後に……」
「まだあるの?」
だいぶしつこくないか?と思いながら言った。
後から聞いたがこの時凄く顔に出ていたらしい。
「話を聞きなさい、最後に帰ってきたら絶対に笑顔でただいまと言う事」
最後の言葉で私は少し泣きそうになった。
しばらく会えないとはいえ、ずっと一緒に暮らしてきたお母さんと離れるのは怖い。
「行ってきます」
と言った時お母さんが笑いながら
「そういう年頃だから仕方ないけど夏休み終わる頃には帰って来なさい」と言った。やっぱりあまり信じてないじゃん、さっきまで凄く感動したのにスッと涙が引いたのを感じた。最後の最後で全てを台無しにされたような気分だ。
私は急いで準備をして元黒歴史日記を手にとりバックの中に詰めた。
用意が出来たらお風呂場に行き、沈む様に潜った。合図は水の中で手を叩く事。水圧に負けないように思いっきり叩いた。音が出なかったはずなのにイルカが来てくれた。
「よし!レッツゴー!」