テラーノベル
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実は彼女たちには住処があったらしく、散歩をしていた時に網に引っかかり捕まってしまったらしい。私はその住処にしばらくお世話になる事になった。「うわぁ〜〜」
思わず声が出た。理由は海のとても深い底に、見えた沈んだ街があったからだ。苔まみれになっていたが逆にそれが美しく見えるほどだった。私たちが街の中に入ると周りの生き物達はとても驚いたように近づいてきた。皆口々に「よく帰って来たね。流石だよ!」と3人に言っていた。私はイルカの後ろに隠れていたが何か違和感に気づいた魚が後ろに回って来た。すると「何でこんな奴を連れてきたんだ!」と怒鳴ったように言ってきた。その声で全員の目がこちらの方に向いた。3人は頑張って説明していたが聞く耳を持ってくれず、私は皆に追い出されるように街からでた。
帰ることもできず、住む所もなくどうしようもない状態で困っていると3人が追いかけて来てくれた。3人が言うには親に会って欲しいと言う事だった。そして私はあまり気乗りしないままもう一度その街に戻った。すると視線がとても痛かったがその中にとても優しくこちらを見るペアがあった。そちらの方を目を細めながら見ているとそこにはイルカとクラゲが2人ずつこちらに近づいて来ていた。するとコチラに一礼をして泣きそうな声で「ありがとう」と言ってくれ、家にしばらく居るといいと言う提案をしてくれた。そして私はその家族のお世話になる事になった。その日も欠かさず日記をつけた。
起きると磯の香りがした。一瞬水の中で焦ったが息ができるのを忘れていた私は必死でもがいていた。するとイルカが笑いながら
「息、ちゃんとできるでしょ」と言ってきた。恥ずかしい。今日は3人に街の中を案内してもらう約束をしていた。家を出るとクラゲ達が待っていた。少し暗いように感じるが太陽の光が苔に当たった時に輝く緑色がとても幻想的だった。
「これが3人が住んでいる街か〜。」ボソッとでた声に対して3人は
「凄く綺麗でしょ」と、ドヤ顔で言ってきた。確かにこれは凄く綺麗だ。そう思いながら街の中を走り回った。
日記にしっかりつけよう。
日記:3人の住んでいる街にきた。皆私を嫌っているが、イルカとクラゲ達の家族は温かく迎え入れてくれた。街はチラッと見えただけだけどとても綺麗だった。明日は朝から案内してくれると言ってくれたからとても楽しみだ。
8月17日
日記:街はとても綺麗でとても楽しかった。3人も楽しそうに案内してくれて此方も不思議と笑顔になった。まだ遠目から見られているがいつか街の人たちとも仲良くなれると嬉しいと思っている。
8月18日
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