テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
1週間ぶりの病院。
息を切らしながら廊下を走る
目黒蓮。
「〇〇……っ」
ドアの前で立ち止まる。
手が震える。
コン、コン――
待てずに、そのまま開ける。
「〇〇!」
ベッドの上。
〇〇が、はっと顔を上げる。
「……っ」
一瞬、時間が止まる。
「……来た」
その一言。
次の瞬間――
「……っ、やだ……っ」
〇〇の顔が、ぐしゃっと歪む。
「……なんで……っ」
涙が一気に溢れる。
「……なんで来なかったの……!」
声が震える。
止まらない。
「……ずっと……っ」
ベッドから身を乗り出す。
「……待ってたのに……!」
そのまま、バランスを崩して――
「〇〇!」
慌てて駆け寄り、抱き止める。
その瞬間。
「……っ、れん……っ!!」
強く、名前を呼ばれる。
蓮の呼吸が止まる。
「……れん……っ、れん……っ」
泣きながら、何度も呼ぶ。
服をぎゅっと掴んで、離さない。
「……やだ……っ」
「……いなくなるかと、思った……!」
声にならないくらい、震えている。
蓮は、そのまま強く抱きしめる。
「……ごめん」
低く、かすれた声。
「ごめん、遅くなって……」
〇〇は首を振る。
「……やだ……っ」
「……もう、来ないかと思った……」
その言葉に、胸が締め付けられる。
「……来るよ」
抱きしめる力を強くする。
「絶対来る」
「……っ」
〇〇は、顔を埋めたまま泣き続ける。
「……会いたかった……」
ぽつりとこぼれた本音。
「……誰か分かんないのに……」
涙でぐしゃぐしゃの声。
「……でも……」
ぎゅっと、さらに強く掴む。
「……れんに、会いたかった……」
その言葉で。
蓮の目から、涙が落ちる。
「……俺も」
声が震える。
「……会いたかった」
しばらく、何も言わずに抱きしめ合う。
離れていた時間を、
全部埋めるみたいに。
「……ねえ」
少しして、〇〇が顔を上げる。
「……れん」
はっきりとした呼び方。
「……私」
言葉を探すように、ゆっくり続ける。
「……全部は、分からないけど」
蓮を見つめる。
「……ここが」
自分の胸に手を当てる。
「……覚えてる気がする」
涙が、また溢れる。
「……れんのこと」
その言葉に、蓮は何も言えなくなる。
ただ、優しく頭を撫でる。
「……それでいい」
無理に思い出さなくていい。
「……それで、十分」
〇〇は、小さく頷く。
そして――
「……離れないで」
まっすぐなお願い。
蓮は迷わず答える。
「……離れねぇよ」
指を絡めて、手を握る。
「ずっといる」
その手を、〇〇も強く握り返す。
「……うん」
やっと、安心したように。
そのまま、再び泣き崩れる。
でも今度は――
“ひとりじゃない涙”だった。
コメント
1件
うわあ……やっと会えたね。病室のドアを開けた瞬間から、二人の震えがこっちにまで伝わってくるようなシーンだった。「……なんで来なかったの!」って怒りと寂しさが混ざった〇〇のセリフに胸がぎゅっとなったし、「……会いたかった」ってぽつりとこぼす蓮の台詞にも泣きそうになった。記憶が曖昧なのに「れんに会いたかった」って言えるのがもう切なくて。最後の“ひとりじゃない涙”という地の文が、この抱擁のすべてを語ってる感じがする。次、どうなるんだろう……また読みたい。
#目黒蓮
スノ担⛄️
285