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床に押し倒されたまま、大森の冷たい目線を感じながら、若井は動けない。
胸が締め付けられ、呼吸が浅くなる。あの時と同じように、大森の手が若井の肩に乗っていた。
「どうした?――まだ俺の言うことが分からないのか?」
大森の声は、まるで命令を下すようなものだった。
その強さに、若井は言葉が出ない。
「お前の言うことなんて、俺には関係ないってことだよな」
大森は、わざとゆっくりとした動作で、若井の手を押さえつけた。
その力に、若井は身動きできず、ただ無力さを感じるだけだった。
「これ、もう“嫌い”って顔してるけど……わかってるんだよな?」
若井は無言で、目をそらす。
このまま、大森に支配され続けるのか、それとも反撃を試みるべきなのか。頭の中で葛藤していた。
「お前がどう思ってるか、俺には関係ない。俺の命令に従うだけだ。」
その言葉に、若井は体が震える。
まるで、彼の言葉が心に刻まれていくようだった。
「まだ終わってねぇんだよ、若井くん。お前に終わりを許すわけないだろ」
大森は若井の顔を掴み、強引に引き寄せる。その目の前で、大森の顔が、すぐそこまで迫ってきた。
「……っ、やめてください……」
「なんでお前がそんなこと言うんだ?」
大森の口元に、冷たい笑みが浮かぶ。
その表情に、若井はぞっとした。
少しでも反抗すれば、またこれ以上のことが待っているような気がした。
「俺に命令されること、嫌だろ?」
若井は黙ってうなずく。
「じゃあ、どうしてそんな顔してるんだ?」
大森の顔が、ますます近づいてきた。若井は目を閉じ、心の中で思った。
(こんなはずじゃ……)
だが、その瞬間、大森の手が若井の髪を軽く引いた。
その痛みで、目を開けると、もうすぐに大森の目が目の前にあった。
「――そうやって、黙って俺に従うんだよ。」
その言葉と共に、大森は立ち上がり、若井に背を向けた。
「仕事、終わったら、また俺に報告しろ」
その一言で、大森は去っていった。
若井はただ床に横たわり、息を荒くしながら、その言葉を噛みしめていた。
(どうして……こんなことに……)