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主人公詳細
名前 : 神崎 美織 ( カンザキ ミオリ )
性別 : ♀
年齢 : 25
出身 : 音駒高校
本日の御相手様
音駒高校より灰羽リエーフ様
本編
冬の冷たい風が頬を撫でる。
今年もこの季節がやってきた。
街中がイルミネーションの光で包まれる。
カップル達は幸せそうに手を繋いで歩いていく。
そんな中私は広場の大きなツリーの下でポツリと1人で立っている。
“今年も会えないかな”
そんなことを考えながら彼を待っていた。
私の彼はモデルだ。
冬のクリスマスシーズンなんて忙しいに決まっている。
それでも会おうと約束をしてくれた彼には感謝している。
去年も約束はしたが、会えずに終わってしまった。
今年こそはなんて考えていたのだけれど…。
待ち合わせの時間からかれこれ30分は経っている気がする。
諦めて帰ろうと1歩踏み出した時、目の前に見覚えのある靴が視界に入る。
『すみません!!長引いちゃって…』
申し訳なさそうに謝る彼の声。
呆れる気持ちと同時に会えた喜びが溢れ出してきた。
「遅いよ、来ないかと思った」
冗談交じりに私は言う。
先程まで俯いていた顔をあげる。
その時、彼の両手いっぱいに持たれている花束が目に入った。
えへへ、と若干照れたように笑う彼は昔と変わらない。
「どうしたの?その花束」
私は驚きを隠せずに問いかける。
『遅くなったお詫びっていうか。来る途中に見つけて美織さんに渡したくなったので!』
にぱっと笑う彼につられて私も笑う。
「嬉しい。ありがとう 」
目の前に差し出された花束を彼から受け取る。
“綺麗…”
そんな一言では表せない気がするけれど。
とても綺麗だ。
ナズナ。シンビジウム。紫のパンジー。
彼はきっと花言葉なんて考えていないだろうな。
どちらにせよ嬉しいことに変わりは無い。
『じゃあ、行きましょうか』
そう彼は私に手を差し出す。
「うん」
私は心底嬉しそうに微笑み彼の手を取った。
今日は今まで1番素敵なクリスマスになりそうだ。
イルミネーションがより一層輝いて見える。
まるで、私たちを祝福するかのように_
花言葉
ナズナ
あなたに私の全てを捧げます
シンビジウム
華やかな恋
紫のパンジー
貴方のことで頭がいっぱい
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