昼休みが終わり教室へと戻る…
ガラッと教室の扉を開けて席に座る…いつもの日常だ….
また彼の声が聞こえる
「菊!」
「……..どうしました?」
「今日、俺の家来る?」
「フェリシアーノさんの….家?」
「うん!」
「……」
「無理なら全然断っても良いんだよ!」
と焦々と言う。
初めての友達の家…..。
これに何のメリットも無い….
けど….
「…..分かりました」
「……行きます」
「….!!」
今にも抱き着こうとする顔になっている。
でも、菊を気にして顔だけ表している…。
「……はぁ」と言いながら菊はフェリシアーノに抱き着く
「…….」
「それじゃあ、また….」
と何事も無かったように立ち去る。
「…….」
「ッ~////?!?!」
菊が去った瞬間に出す照れ顔だ。
まさか、菊がフェリシアーノに抱き着くなんて思いもしなかっただろう…
フェリシアーノは照れながら手を拭った____
「此処が…..」
小さな紙に書いている地図を元にフェリシアーノの家まで着く。
ピンポーンとインターホンを鳴らした。
すると
「はいはい~!」
とフェリシアーノが出て来た。
「あ….フェリシアーノさん」
と言ったのが悪かったのか、フェリシアーノは
「呼び捨てでも良いんだよ?」
とまるで親しく接したい気持ちが伝わって来る言葉を放った。
「あ…..えーと……それじゃあ」
「フェリシアーノ君……はどうでしょうか…..」
「…..!」
「全然っ!嬉しい!」
にこやかにフェリシアーノは言った。
“親しい”は彼にとって大事な事なんだろう….。
「それじゃあ、あがって!あがって!」
と、優しく手を掴む
「え….あ、お邪魔します….」
申し訳なさそうにあがる_____
「ルート~、菊連れてきたよ!」
「……?」
何のことかさっぱりだった….
けど、彼と対等に話していると言うことは、フェリシアーノの友達なのだろうと思った。
「よろしくな、本田」
「宜しくお願いします….」
と頭を下げる。
すると
ガタッガタッと上から物音….誰かの声が聞こえる。
「あぁ…多分、フェリシアーノの兄だろう」
「兄….ですか?」
「そうだ….ちょっとあいつには似ている一面もあるが…」
「学校関連でしばらくの間はずっと引きこもっている状態だ」
要するに…
虐めが原因であることは瞬時に理解が出来た。
「私…..行ってきます」
「危ない….というか拳が飛んで来るが….良いのか?」
「はい…..話し合い…ですよ」
「そうか…..なるべく無茶はしないでくれ」
「はい、恐れ入ります」
と心配をするルートを前に階段を上って行った。
「え?き、菊?」
「何で此処に…」
「話をしに来ました….」
「え?!」
「で、でも!」
危ないを忠告するフェリシアーノを見て____
「分かっています….」
「でも….私は同じ経験者….」
「だからこそ、共感し合える….相談をし合えると言ったものです….」
菊の瞳はやはり、黒く濁っていたが、その熱意だけは彼に届いた…
「…….無理の無い範囲で話してみて….お願い」
「分かりました….」
俯いているフェリシアーノにまた…抱き寄せた。
まるで、聖母の様に….
労いの言葉をかける。
「……..ありがとうございます….」
「よく….此処まで頑張りましたね….」
「でも、大丈夫です……」
「必ず、お兄様を連れてきますから….」
優しくフェリシアーノに言う….
その言葉は天使の様な癒される言葉であった。
フェリシアーノもそれが心地好かったのか一つの灯の瞳を見せた。
「うん…..!」
「頑張って….!!菊!」
フェリシアーノは優しく笑った。
温かい…..。
その温かみを持ちながら彼のお兄様の部屋へと向かった______
ガチャ…と扉を開く。
部屋は真っ暗でそこら辺に物が転がっていた….。
カッターもナイフも転がっている。どうやら、自傷行為でもしてたのだろう….
血が少しだけ着いていた。
部屋を物色していると突然後ろから声がした。
「………誰だ」
低いトーンの声….。
「……フェリシアーノ君の友達….とでも言っておきます」
「……何の用だ」
「…..貴方に」
「外の世界を見てもらいたいと思いまして….」
すると、どうしてでも過去にひきずっているトラウマがあるのか
「嫌だッ….俺は行かないッ….」
と怯えていた。
まぁ、そう無理も無い。
私もそんな自分が憎かったからだ。
何も言えない、何も出来ない…..
全て偽りの自分にが憎たらしく思っていた。
「…..しかし」
「うるせぇッッ!」
相手に間違った言葉をかけたのかカッターが飛んできた。
「…….」
(……手傷….。)
血がポタポタと流れている。
相手もそこまでになるとは思わなかったのだろう。
「…….ぁ」
ガクッと膝が抜け落ちていった。
「……大丈夫です、こんな傷….」
「虐められた日々よりかはずっとマシですよ」
取り敢えず相手を安心させるようにちょっとずつ話す。
「…….お前も」
「虐められてたのか….?」
「…….生憎、そうですね」
「…..私は何も出来ないのです、笑顔になることも….何もかも」
「お前は….辛く…..ないのか?」
「………辛いだなんてとっくの昔に捨てました」
「………」
「貴方も今の自分を追い込む様な事をしていたら、いつまでも怖じけづきたままになりますよ」
「…..うるせぇ」
「でも….」
菊はそう言った瞬間、フェリシアーノの兄…ロヴィーノにある物を渡す。
「…..何だこれ」
「御守りです….」
「オマモリ….?」
「はい….これを身につけていると悪が寄って来ないというおまじないです」
「…….」
ロヴィーノはもう一度御守りを見る。
「手作り….なのか?」
「….感が鋭いですね….」
菊はロヴィーノを見つめたまま
「そうですよ…」
「私と同じ経験をしている貴方なら…私の気持ちも分かるのでは無いでしょうか…」
「お前の…..気持ち….」
「そうです、私も同じ体験をしているので貴方の気持ちも良く分かります」
「同じ経験者同士だから….分かり合える価値観という物があるのでは無いでしょうか」
「………..」
「何か遭っても貴方には大切な仲間や家族が居るのではありませんか?」
「……仲間…..」
「えぇ、そうです」
何の希望も無い私の言葉で誰かを救うことは出来ない…。
余程効果があるのはフェリシアーノさんぐらいの人達でしょう。
でも、私は”私のやり方”があるのです。
馬鹿げたやり方が….
コメント
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聖母菊さん...BIG LOVE😇 スゥゥゥッッ...とりあえずここにあった拷問器具とステッキもって 本作軸トマト一味(ーロマ)連れて行ってくるねッッ☆
菊ちゃんだけじゃなくてロマも虐められてんのな……泣そのいじめてる奴ら許さんわ!!お姉さんがギタギタのボコボコにしてやる!
好………………………😇