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朝。
カーテンの隙間から入る光が、ぼんやり部屋を照らしていた。
あなたは小さく身じろぎして、ゆっくり目を開ける。
「……ん……」
まだ少し眠い頭で状況を整理しようとして——
すぐ近くに、人の気配。
「……起きた?」
低くて優しい声。
顔を上げると、たっつんがすぐ隣にいた。
「……っ!?」
一気に昨日の記憶が蘇る。
泣いたこと。
抱きしめられたこと。
“好きやで”って言われたこと。
顔が熱くなって、思わず布団を引き寄せた。
するとたっつんは、眠そうに笑う。
「なんでお前が恥ずかしがっとんねん」
「だ、だって……!」
「昨日あんな泣いて甘えてたのに?」
「わーーー!!言わないで!!」
慌てるあなたを見て、たっつんが声を出して笑った。
その笑い方が、昨日よりずっと安心した顔で。
「……よかった」
「え?」
「ちゃんといつもの反応できとる」
たっつんは少しだけ目を細める。
「昨日、ほんまに無理しとったから」
胸がじんわり温かくなる。
あなたが黙ると、たっつんはぽん、と頭を撫でた。
「寝れた?」
「……うん。たっつんのおかげ」
「ん。ならよし」
さらっと返すくせに、耳がちょっと赤い。
あなたは思わず小さく笑った。
するとたっつんが不思議そうに首を傾げる。
「なんやねん」
「いや、たっつんも照れるんだなって」
「……照れるわ普通に」
「ふふ」
「笑うな」
むすっとした顔をしながらも、たっつんは離れない。
むしろ近い。
肩がずっと触れてる。
「……そういえば」
たっつんが急に真面目な声になる。
「スマホ、見る?」
その言葉に、あなたの身体が少しだけ強張った。
たっつんはすぐ気づいたみたいで、「無理ならええ」と静かに言う。
「今日はまだ休んどくか?」
「……でも逃げてばっかも嫌で」
ぽつりと本音が漏れる。
するとたっつんは少し考えてから、あなたの額を軽く小突いた。
「ほな一人で見んな」
「え?」
「横おる」
真っ直ぐな声だった。
「嫌なコメント来ても、俺がお前守る」
胸がどくんと鳴る。
「……そんな簡単に言う」
「簡単ちゃうよ」
たっつんはあなたの手をそっと握った。
「でも、お前一人で泣く方が嫌や」
その言葉に、昨日までの苦しさが少しずつ溶けていく気がした。
たっつんは握った手を軽く引いて、自分の方へ寄せる。
「それにな」
「?」
「今のお前、“俺の大事な彼女”やから」
「……っ!!」
一瞬で顔が熱くなる。
たっつん本人も言ったあとで照れたのか、「うわやば」と顔を逸らした。
「……朝から破壊力高い……」
「たっつんのせいでしょ!」
「しゃーないやろ、好きなんやから」
さらっと言われて、心臓が完全に限界だった。
そんなあなたを見て、たっつんは満足そうに笑う。
「……やっとちょっと元気な顔なった」
コメント
1件
あおいです🤍 第5話、読み終わりました……朝のこの空気感、すごくリアルでじんわりきました。たっつんの「簡単ちゃうよ」って返し、ああこの人は本気で向き合ってるんだなって伝わってきて。照れながらも「俺の大事な彼女」って言っちゃうとこ、破壊力高すぎて私も一緒に照れました(笑)。守ってもらうことと、自分から逃げたくない気持ちの間で揺れるあなたの心情、すごくわかります。この二人の距離感、大好きです。