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「涼ちゃんっ!」
はじかれたように、涼ちゃんの元とへと急いでかけより、 その顔をみる。スズカじゃない。
本物の、涼ちゃんだ…
「…、う…も、とき…?」
涼ちゃんが苦しそうにうめきながら、うっすらと目を開けた。その顔は青白くて、まるで生きている感じがしなくて、悪寒がした。
「く、るしいっもときっ、い、いたい、 胸がいた、い」
涼ちゃんがゼッゼッと荒い時吸を くりかえしながら、心臓のあたりを抑えて、何回も何回も俺の名前を呼んだ。
「大丈夫、大丈夫、涼ちゃん、ゆっくり息して。」
涼ちゃんの背中をたださすることしかできないのがひどくもどかしい。
何もできないままに、涼ちゃんの痛みだけが募っていく。
「う、ゔ〜、っいっ」
くそ、くそ!どうしたら、どうしたらいいんだよ…涼ちゃん、お願い、死なないで、…
『…その願い、叶えましょう。』
突然頭の中に流れんでくるようにして何者かの声が聞こえた。
その瞬間痛みが和らいだようで、涼ちゃんの力がふっと抜けた。
『その子が苦しんでいるのは片割れの仕業。 あなたの言う、スズカがやったのです…
その後、俺が来る前に、あの悲鳴をあげたらしいスタッフの女性が、救急中を呼んで帰ってきて、涼ちゃんはすぐに近くの病院に運ばれた。でも検査を受けるとなったときにはすでに涼ちゃんはピンピンしていて、どこにも異常はなかったため、あと少し様子を見たら帰れることになった。こうなった理由は涼ちゃん自身にも分からず、急に苦しくなったらしい。医者も困ったように疲労かな、と言っていた。
でも俺は、何故こんなことが起きたか知っている。 涼ちゃんへの明確な敵意。あの声が教えてくれた。さすがに、涼ちゃんの前ではこんな話したくない。お前もそうだろ?
目で静かに訴えると、小さく頷いて涼ちゃんの病室を出て行った。 俺も涼ちゃんに、お大事にね、とだけ言って、すぐに後を追った。
「…おい、若井、お前今回のこと分かってんだろ?」
「…何のこと?」
自分の中身が少しずつ熱くなっていくのを感じた。
「しらばっくれんなよ、スズカのことだよ」
「…っ!…へぇ…名前、スズカっていうんだ…」
「そうだよ、今どこにいる?」
「知らない。てか知ってどうすんの。」
どうする?そんなの決まってる。だってあいつは涼ちゃんを傷つけた。
「…消す」
「は?お前、それ本気で言ってんのっ」
若井の言葉を最後まで聞き終わるよりも早く、その胸ぐらにつかみかかっていた。
「ああ、本気だよ。だって、涼ちゃんがついさっき死にかけたのだってあいつのせいじゃないか!」
「それは違うっ!」
俺の言葉にかぶせるように放たれた若井の声に、少しだけ落ちつきをとり戻す。
「どう、違うんだよ。」
「…言えない…」
「っ!」
落ち着け、今若井に突っかかったところで、もうきっと何にもならない。俺だって引き下がるつもりは全くないし、こいつも下がらない。昔からそういう奴だから。
腕の力を抜いて若井の胸ぐらから手を離す。こいつに聞けないならしょうがない、俺が見つけ出してやる。
「…なぁ、もとき今日なんかおかしいんじゃね?いつもそんな感情的にならねえじゃん。」
「…俺さ、涼ちゃんのこと好きなんだよ。」
若井が少しだけ息をのむ音が聞こえた。
「出会った時からずっと好きでさ、最近特に涼ちゃんを見てると、愛しさで胸が痛くなる。もう俺涼ちゃんがいなくちゃ生きていけない。」
沈黙が続いている。若井は何かこちらに言いたそうな顔で見つめていたが、その目から逃げるようにその場を後にした。
喧嘩シーン辛いです…😢
若井さんは何を伝えたかったのか、次の話で答え合わせです、
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