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昨日の夜、スズカが突然家に来た。
俺が久々に早く帰れて、上機嫌でドライヤーを髪に浴びながら、テレビを見ていた時、 ふわっとカーテンが揺れて冷たい風に身震いした。
あれ、俺ベランダの窓閉めてなかったっけ、なんて思いながら、寒いから閉めようと立ちあがったときだった。何かの手が、頬を触った。
「ひえっ」
あまりの突然のことに、勿凄く情けない声が出た。 すると、
「んふっあは、んはは」
笑い声のする方を見ると、うっすらと透けている涼ちゃんがいた。
「えっ涼ちゃん⁉︎」
「ひえって…んふふ、あははは!」
「えっえっちょ、涼ちゃん⁉︎どっから入ってきたの?てか体透けてない⁉︎」
涼ちゃんは、俺の話も聞かず笑い続け、おさまった頃には少し透けていたのもなくなり、完全に見えるようになった。
「あ~笑った、涙出てきた」
「涼ちゃん?え、ちょ、ま、どゆこと?」
「うん、ごめん、君がひろとだよね?もときから聞いた。ちゃんと説明するつもりだったんだけど、んふふっ、ちょっと聞いてくれる?」
それからスズカはたくさんの話をした。
自分は涼ちゃんの片割れだってこと、今追っている敵がいるってこと、今自分のことが見えているのは一時的な術のおかげってこと、もときの家に2日前からいたんだけど状況が変わって俺に助けを求めにきたってこと。
「え?今もときは?」
「寝てるよ。ちょっぴり術をかけたから。
…こっからの話はもときにはしてない。 ほんとは誰にもしないつもりだったけど…
…もときはさ、りょうかのことが好きだね。」
「あぁ、うん、あいつ分かりやすいよな。 あれで隠してるつもりなんだよ。」
「それで、りょうかももときが好き?」
「うん、そうだね。」
「そっかあ…、実は俺にも…そういう人がいて、キスもしたし、その先も、したんだよ。」
スズカの声は途切れ途切れで、まるでポツポツと雨が降ってるみたいだった。
「..その人が…何でいうんだろう、乗っ取られてしまって、」「何に?」「何か分からない、 何か大きな、深い悪…それでその人は、 変わってしまった…」
涼ちゃんにそっくりの、ゆるく垂れた綺麗な形の瞳から、一筋、涙がつたった。
「俺が追ってるのがそいつ。早くしないと手遅れになる。..それで、片割れのことはよく分かっちゃうから、もときには言えなかった。」
「…?」
「敵さ、もときの片割れなんだよ。」
「え…、?」
「すごいよね、片割れどうし、同じ人を好きになるなんて、もときの話聞いてたら、ああほんとに好きなんだなって、分かって、だから、ごんな奇跡を壊したくないから、…俺が、俺があいつを殺さなきゃいけなくてっ」
スズカの声が段々と震えて、頬をつたっていく涙が、2つぶ、3つぶ4つぶと 増えていく。
「殺さなきゃいけないのにっ、殺さなきゃ、もときとりょうかが死んじゃうのにっ、
俺嫌だ…だって、俺だって好きなんだよ、愛してるんだよ…」
声を震わせて、顔を覆ってしまいながら、しぼり出すように、そう言った。その声はまるで悲鳴のようで、喉の奥がきゅっとなった。
そんなん、辛いに決まってんじゃんか。誰よりも愛している人を、誰かのために殺すなんて…
なぜか分からないけれど、 その涼ちゃんそっくりの薄くて細い体を抱きしめた。
可愛想に思ったのだろうか、分からないけど、でもとにかくつなぎ止めておかなくちゃ、 消えてなくなってしまうような気がした。
スズカはしばらくの間、俺の胸の中でしゃくりあげながら泣いていた。
「それで、ひろとに頼みたいことがあるんだけど、俺が3日前に逃しちゃってから、もときの片割れの居場所が全くつかめてないんだよね。それで、もしかしたら誰かの内側に入りこんで隠れているかもしれない。」
「まじ!?、そんなことできんの?」
「うん、片割れがいるどうしならできるんだ。だから、もしかしてりょうかの中に入ってしまってるんじゃないかと思って…」
「…そういうのってどうしたら見破れんの?」
「見たらわかるよ、だからりょうかに会えるときに、俺も一緒に連れてって欲しい。俺のこと見える人なんてほとんどいないし、ちょっと見たらすぐ帰るから、」
「おっけ、じゃあ明日行こう、明日なら涼ちゃんと場所一緒だし、元貴と離れ気味だし。」
「ほんと…?ありがとう、ひろと…」
「元貴には言えないんでしょ?話聞いて俺も力になりたいし。」
「ありがとう。きっと元貴に言ったら、片割れの方にも伝わっちゃうと思うんだよね。」
「なるほど…明日は元貴と涼ちゃんにバレないように、秘密の作戦ってことか。」
「ふふ、そうだね。あっ、万が一見つかった時のために服変えとかなきゃ。」
「俺の服貸そうか?涼ちゃんとサイズ一緒でしょ?」
夜が更けていく。涼しい風に冷まされながら、お互い寝落ちてしまうまで笑い合った。月明かりに照らされる君は、綺麗だった。
毎日更新したかったのに昨日は無理だった…😢この辺難しいなあ
もうすぐ♡100いきそう!!😍