テラーノベル
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コメント
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投稿ありがとうございます。 1000♥失礼します。 神すぎて雰囲気から表現まで最高すぎて、一番好きです。
第9話「歌っている間だけ」
ステージの光は、思っていたより眩しかった。
「……っ」
一歩踏み出した瞬間、足の裏から感覚が伝わってくる。
歓声が、波みたいに押し寄せた。
「……すご……」
小さく、息を漏らす。
「らん」
隣で、なつが短く声をかけた。
「今は、音だけ見ろ」
「……うん……」
頷いたけど、胸の奥はざわついたままだ。
——始まる。
イントロが流れる。
体が、反射的に覚えている動きをする。
(……息……)
マイクを口元に近づけた瞬間、喉がきゅっと締まった。
「……っ」
一拍、遅れそうになる。
「らんらん!」
みことの声が、すぐ横から飛んできた。
「大丈夫、合わせて!」
その一言で、少しだけ意識が戻る。
(……今だけ……)
息を吸う。
浅いけど、なんとか声にする。
「——」
音が、出た。
それだけで、胸の奥がじん、と熱くなる。
(……歌えてる……)
サビに入る。
照明が一気に明るくなる。
「……は……」
息は苦しい。
でも、不思議と——怖さが薄れていく。
「らんくん!」
こさめが、視線だけで合図を送る。
(……大丈夫……)
小さく頷いた。
歌っている間だけ、
体が自分のものじゃないみたいだった。
「……っ」
途中、一瞬だけ視界が揺れる。
(……やば……)
胸が締め付けられ、喉が詰まる。
「……っ、は……」
マイクを持つ手が、僅かに震えた。
「らんらん!」
すちの声が、はっきり届く。
「次、俺入る!」
すぐにフォローが入る。
音が、途切れない。
(……支えられてる……)
涙が出そうになるのを、必死に堪える。
「……ありがとう……」
声にならない声で、呟く。
終盤。
体力は、もう限界に近かった。
「……は……は……」
息が乱れ、胸が痛い。
(……立て……)
足に力を入れる。
(……まだ……)
最後のフレーズ。
照明の中で、メンバーの背中が見えた。
——この景色を、覚えていたい。
「——!」
声を振り絞る。
音が、会場に響いた。
その瞬間、
大きな歓声が返ってくる。
「……っ」
歌い終わった途端、力が抜けた。
「らん!」
なつが、すぐに支える。
「……ごめ……」
息が、荒い。
「……は……ひっ……」
嗚咽が混じる。
「喋るな」
いるまが、低く言う。
「呼吸だけでいい」
ステージの中央で、
拍手と歓声に包まれながら。
らんは、必死に息を整えた。
「……は……」
胸は苦しい。
体も、限界。
——でも。
(……歌ってる間……)
薄れる意識の中で、思う。
(……生きてるって……)
それだけは、はっきり分かった。
沢山いいね押してくれてありがとうございます…!
あまりにも多いので今日二本目ですが、もう1話投稿させて頂きました!
♡500→
かきだめが尽きないように頑張ります🔥
多くてすみません…笑