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情報過多
꒰ attention ꒱
・黒青
・病み
誰しも得意な事ってあると思う
俺は昔から、人の感情を読み取るのが得意だった
別に異能力みたいな 非現実的なものではなくて
表情や声色、文面などで察せてしまうのだ
そりゃ、にこにこしていたら嬉しいんだとか、楽しいんだとかは想像できるだろう。
例えば、曖昧な返事だったり やたらと周りを見ている目の感じだったり、細かいことでもこの人は多分怒っているとか 面倒くさがっているとか、読み取れてしまう
その為、人よりも感じることが多い分疲れやすい。
メリットなんてひとつも無い。
勝手に感じ取りすぎるのも自分
受け取って考えすぎるのも自分
感情に乗られて沈むのも自分
「…馬鹿馬鹿しぃ、…笑」
自嘲するように自分の口から笑いが漏れた。
確かこの日もそうだった。
『あー別になんでも』
『あそう?勝手に決めるけど』
『任せるわ』
カタンッ。
半分投げ捨てた気分でスマホを手放す。
数日前から既に不安定で、変に余計な分析を繰り広げてしまう脳に嫌気がさしていた。
…「嫌気」という言葉では収まらないほどに。
「…ッぅ”~~っ、…むりッっぃ、…」[丸まる]
先程まで付き合いの古い友人と会話していたのだが、考えなくていいことまで考え始めてしまった。
どうでもいいと思われているような気がして
いいように使われている気がして
そんな事ないと、今までの信頼度から分かりきっているのに。
割と頻繁に連絡する友人だから尚更だ。
それとは違い、経験則から人間をそんな簡単に信用するなとも思う。勝手に期待して、信頼を置いて。
結局は置いていかれるって分かりきっていると
[ 人間ってむずかしいな ふーむ ]
逃げた気になって、鎖に繋がれているように離れられなくて
矛盾しかない自分に再び嫌気がさす
スマホをダラダラと眺める続けている と、未だに止まらない先程のポストへの通知。
ハートやリプなどの反応…沢山の愛が目に見える。
ふとそんな中で一際輝いて見えたのは、唯一心を全て開ける彼のツイートだった
[ まってろよ 絶対会いにいく ]
「……っえ、」
気づいた時にはもう遅かった
インターホンが音を奏でる
確認するとやはり、
「…よっ、まろ」
最年長の長髪の姿があった。
「…なんで、ぇッ、…」
「そら、バレるやろw 俺にはなんでも分かるんやから」
そのままあにきを招き入れると、俺が思うように動けないのを知ってか飲み物を入れにキッチンへと向かっていった。
その間俺はソファに座る。もうスマホなんてどこに置いたか覚えていない。
はい、という声と共に置かれたのはマグカップに入ったブラックコーヒーだった。
無言でそれを手に取ってひと口すすると、丁度いい熱さになっていて、あにきの優しさを感じた。
そのまま無言で飲み続けていると、つけたままのテレビを見ながらあにきの手が頭に伸びてくる。
ぽんと手を置くと、そのまま少し乱暴に頭を撫でられた。
「…ぁにき、…不器用」
「うるさいなぁ、ええやろ別にw」
そう言いながらも撫でたり、ぽんぽんとあやす様に軽く叩いたりし続けてくれる。
それがすごく暖かくて
変な分析も、どうでもよく感じ始めて
「……俺、もぅ考えるのやめてもえぇ、?」
「当たり前やろ」
「もう1年くらいやめとき」
「…んははッw、流石に無理やなぁ…w」
まぁ、今だけは
どうでもいいか
Fin.