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第19話、読み終わりました…!カイ(優海)の「ニンゲンでありながらニンゲンであることに嫌悪する」複雑な内面がひしひしと伝わってきました。ぎんとの関係性もまた良いですよね。悪意のない軽いからかいと信頼が滲んでいて、ほっこりする反面、尋問シーンでのぎんの豹変がめちゃくちゃ怖い…。あのギャップがたまりません。ふたりの間に流れる独特な空気感が、すごく好きです。
side優海
地下牢付近の薄暗くてジメジメした廊下を歩く。
別に明るくていいと思うんだけど、ぎんが言うには薄暗い方が精神的になんとかだから尋問がスムーズに進むらしい。
ぎんはそっち系専門だからきっとそうなのだろう。
カツン カツン
無駄に大きく足音が鳴る。
お化けとか出てきそうな雰囲気である。 でも、僕以外の幹部はそう言うのがわかんないらしい。
ニンゲンが空想で作った生き物だろって
いやでも、いそうだよ
やっぱりこういう風にちょっとすれ違う時があるんだよね。 やっぱり所詮僕もニンゲンだ。 そう思うと嫌悪感でいっぱいになる。
ニンゲンニンゲンニンゲン
もう嫌になってくる。
僕はニンゲンだけどあいつらとは違う。
気の遠くなるような廊下を歩き、 一つの牢屋の前で止まる。 中にはニンゲンが1人壁にもたれかかって座っていた。手足は縄で結ばれて鎖も付いている。喋れないように口も塞いであるけど、みっともなく唸ったり叫んだりしている。助けを求めているのか、誰ともなく対話を試みているのか。
目隠しはしてなかったから牢屋の前まできた僕に気づいたのだろう。さっきよりも大きな声で何かを訴えてくる。
うるさい
ニンゲンは叫び続けている。
うるさいうるさいうるさいうるさい
思いっきり牢屋の鉄格子を蹴る。
ガシャン
大きな音が地下牢全体に響く。ニンゲンは静かになった。
「おー、カイどうしたん?いつもより早いね」
どこからともなくぎんが寄ってきた。というより隣に立っていた。びっくりしすぎて後ろによろける。転ぶ直前、間一髪で体制を立て直した。それを見てぎんが少し意地悪げに笑う。でも悪意は感じられない。
「もう!びっくりしたんだけど?」
ちょっと頬を膨らませて怒ったフリをする。
「ごめんごめん」
ニヤニヤしながらぎんはパンっと僕の背中を叩いた。全く痛くなく思いやりが感じられるそれに思わず微笑む。
「よーし。やるかー」
面倒臭がっているような口調だが、心なしか声がウキウキしているように聞こえた。檻の中のニンゲンはひどく縮こまって怯えている。
ぎんがニンゲンにカツカツと近づく。
ニンゲンの目の前でどこかのヤンキーか何かのように腰を下ろすと話しかけ始める。
「∴§の情報を知っている限り吐く気にはなった〜?」
僕と話す時とは全く違う。声が重い。ニンゲンはもはや涙目である。しかし、ニンゲンはしゃべろうとしない。
普通のニンゲンならぎんの個有能力の効果でもう口を割ってる頃なのに、、、珍しいやつもいるんだな。
「おー✨いーね」
もはや後ろ姿でもわかるくらいぎんがウキウキだ。こっちからじゃ見えないけどきっと目を輝かせている事だろう。
「じゃあカイよろ」
首を傾け視線を少し向けられる。
了解
ぎんとニンゲンに感覚共有を使用。目を瞑りぎんの望む尋問室を創る。そのままぎんの視覚と聴覚を自分に共有。
「いーよー」
ぎんが僕のことをチラッと見る。ぎんの視覚を自分に共有してるから見たり聞いたりしているのは同じものだ。
「ありがとー」
ぎんの視覚が笑った時のように細くなる。ぎんの目線から僕が微笑んでいるのが見えた。