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傷ついた心、君のせい

第20話 - 第20話愛と友情の間

2025年04月25日

#恋愛

#高校生

#青春

ハルマキ

春菜は学校で過ごす時間が、日に日に重く感じられるようになっていた。智也と春菜の関係が周囲に明らかになったことで、彼女はますます自分の立場に疑問を抱くようになっていた。智也が春菜と正式に付き合うことを宣言したとき、その瞬間、春菜の心は何とも言えない複雑な気持ちで満たされた。彼女は智也に対して深い感情を抱いていたが、その気持ちをどう表現していいのか分からずにいた。
一方、修一は春菜に対して、もう一歩踏み込んだ気持ちを抱いていた。彼は彼女に好意を持っていることを隠さず、ある日放課後、二人で帰る途中に彼女に告白した。

「春菜、ずっと言いたかったことがあるんだ。」修一は緊張した面持ちで言った。

春菜は少し驚きながらも、優しく答えた。「何？」

修一は目を逸らさずに続けた。「実は、僕は春菜のことが好きだ。今まで友達として接してきたけれど、君ともっと一緒にいたいと思ってる。どうか、僕と付き合ってくれないか？」

その言葉に春菜は胸が締め付けられるような気持ちになった。修一は優しくて、思いやりもあって、彼との時間はとても心地よかった。しかし、その一方で、春菜の心の中には智也の存在が大きく立ちはだかっていた。

春菜は少し間を置いてから、ゆっくりと答えた。「修一くん、ありがとう。でも、私はまだ智也くんのことが好きなんだ。」

その答えを聞いた修一の表情は、一瞬だけ陰りを見せたが、すぐに穏やかな笑顔に戻った。「分かったよ、春菜。君の気持ちは大切にするべきだよね。無理に僕の気持ちを押し付けるつもりはない。」

春菜はその言葉に、どこかホッとする気持ちと同時に、胸の中で少しの痛みを感じていた。彼女が智也に対して持っている気持ちは、まだ決して終わったわけではないことを、修一の告白が改めて教えてくれた。

その後、春菜はしばらく修一との関係に対して悩んだが、心の中では智也への思いが完全に消えることはなかった。智也と春菜が正式に付き合うことが発表された日、春菜は自分がどう感じているのかを正直に言うことができなかった。

春菜と智也の関係は、周囲の期待や視線に晒されながらも、二人の間には不安や迷いが渦巻いていた。春菜は智也に対して、どこか申し訳ない気持ちを抱いていたが、智也は春菜に対して特に気にしていない様子だった。

その夜、春菜は一人で考えていた。智也と付き合うことになったのに、なぜか心が重い。彼女の心の中で、智也と春菜の関係がどう進展していくのか、どういう未来が待っているのかが全く見えなかった。そして、春菜の中で芽生えた不安の根本的な原因は、自分自身の心にあったことに気づき始めていた。

「どうしてこんなに悩んでいるんだろう…」春菜は自問自答した。

その時、春菜の元に智也からメッセージが届いた。「今度の土曜日、二人でどこかに行こうか？」

春菜はそのメッセージを見て、少し考えた後、返信を送った。「うん、行こう。」

それは、智也との関係を進めるための第一歩であり、また彼との絆を深めるための決意でもあった。春菜は自分の心の中で、智也と一緒に過ごす時間が大切だと感じながらも、修一との距離感も無視できない自分がいた。

その後、春菜と智也はデートを重ねていったが、春菜の心の中で複雑な感情が交錯し続けていた。智也との関係が進んでいく一方で、修一が持つ優しさが彼女の心を静かに揺り動かしていた。

春菜は、智也と修一という二人の間で揺れ動く自分の心をどう整理すべきか、まだ答えを出すことができなかった。

傷ついた心、君のせい

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