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「お話はよく伺っています。いつも父の送り迎えをしていただいて、ありがとうございます」
「いいえ、そんなこと……私も、楽しんで運転をさせてもらっていますので」
「彼女は、本当に運転が上手なんだ」
そう蓮水さんが口を挟む。
「そんなに上手でしたら、僕も乗せてもらいたいですね」
穏やかに笑う顔は、父親である彼にそっくりだなと感じる。
「……いえもう、私は普通に運転をしているだけですから」
さすがに緊張して渇いてくる口に、グラスの水をごくっと流し込む。
「こないだも、長野の山にドライブに連れて行ってもらったんだ」
「えっ、もしかして、二人っきりで出かけられたんですか?」
蓮水さんが何気なく口にしたことに、秀司さんが驚いた様子でこちらを見やった。