第一話「あたしは可愛いくて最強」
ざわざわ ざわざわ
市内で連続殺人がおこっているとニュースで流れる中、せかせかと歩く人々
その中で2人の男達が、今日は誰をナンパしようかとくだらない雑談をしながら歩いていた。
「お、あれとかどうよ?」
「あー、無理 顔好みじゃないし」
「うわぁ、でも身体はいいだろ?」
聞くだけで胸糞、不愉快極まりない話を楽しげに話す2人の前を
ふわりと鼻先をくすぐるように美しい髪が靡いた
「うわっ!めっちゃ可愛い!」
「今日あの子にしようぜ」
標的となったのは、制服を見に纏った ツインテールの青年だった
「ねね~そこのお嬢ちゃ~ん、可愛いねぇ?どお?このあと暇ぁ〜?」
「俺らとお茶しない?ちょっとでいいからさ~」
臭い息を吐く豚2匹に対して、青年が放った言葉は
*『話しかけんなよ、この*単細胞が』
「…はえ?ふぁ?」
「タン、サイボウ、??」
あまりの辛辣な言葉に身動きが取れなくなる、もはや豚とも言えん、というか豚に失礼だといわれる様な性格の2人をおいて
颯爽と去って行く青年
『(ちょっと言われただけでこれかよ…まったく、これだから下半身に脳がついてる奴は)』
そう、このツインテールの青年こそ
*この物語の重要人物、*望月萌映(モチヅキ モエ)である
場面は変わり、東京私立「薊咲高校」(仮) 3年2組の教室にて
望月萌映『はよ~、萌映ちゃんが登校しましたよ〜っと、はぁ…ダル〜』
ドアを開けるなり鬱屈そうな表情を浮かべる萌映、鞄を横にかけるとすぐに机に突っ伏してしまう
そこへ、2人のクラスメイトが話しかける
「モエぴはよ~、今日も昼登校お疲〜」
「めっちゃ眠そうじゃん、なに?昨日もやりまくりだった?」
この2人は萌映の親友、
*金髪ギャルの*春宮 南乃花(ハルミヤ ナノハ)*と、清楚系黒縁眼鏡の*小鳥遊 果穂(タカナシ カホ)である
望月萌映『んぁ~、春ちにタカちんはよ〜…んーっそうなんだよね~、やりまくりでちょーダルいっていうか…はぁ、夜更かしはするもんじゃないね〜』
春宮南乃花「ふは~、それなぁ てかモエぴ今日暇?久しぶりに習い事無いしさースタバかカラオケ行こ」
望月萌映『ん〜めんご、今日パス 用事あるのよね~…』
春宮南乃花「んえ~?またそれかよ~マジつらたん〜ぴえんぴえ〜ん」
小鳥遊果穂「ぴえ−ん…てかあれじゃない?萌映ぴ、彼氏出来たとかそういうんでしょ」
望月萌映『違ぇっての~、すーぐそんなのばっか〜タカちんのそれ飽き飽き』
小鳥遊果穂「だってそれっぽいもーん」
望月萌映『はいはい、うるさいでーす。てな訳であたし下校まで寝るからおやすみ グー…』
小鳥遊果穂「うわぁ相変わらず早いなぁ…」
春宮南乃花「即眠王爆誕ワロス〜っと」
それから帰り道にて
望月萌映『はぁ〜〜よく寝た!スッキリスッキリ〜、萌映ちゃんふっかーつ!』
小鳥遊果穂「この時間は元気だよねぇ、萌映ぴ」
春宮南乃花「それなぁ、逆にあーしらはち疲れマックスなんだけど」
望月萌映『おつ〜春ち〜タカち〜ん、まぁ明日はあたしも朝から行くつもりだから?安心しなよ~親友同士一緒に疲れよ~?』
春宮南乃花「ガチで来いよ〜?嘘だったらタピ連行、奢りなー?」
望月萌映『ういー』
望月萌映『ほんじゃ、また明日〜』
小鳥遊果穂「じゃーねー」
春宮南乃花「車に気をつけろよ~道草食うな〜」
望月萌映『おかんダルー、ばいびー』
ここで3人が別れる
さらに場面は変わり、向日葵団地(仮)にて
望月萌映『んーー…はぁ、あの量のレポートは幻だ~、お風呂入りた〜い』
萌映が宿題で出されたレポートの量について愚痴を溢しながら、自身の部屋へ向かって階段を登る
ちなみにこの日、萌映は提出し忘れていたプリントを新たに描き直させられ遅くまで居残っていた
それでも3人で帰ろうと待っていた2人…いい親友だと思う
最上階の端に萌映の部屋はある
やっと廊下に着いた時、萌映の部屋のドアが勢いよく開き
砂の粉色の髪をした、オッドアイの青年が飛び出してきた
『!、萌映!こんな時間まで連絡しないで、心配したじゃないか!』
その青年を見た瞬間、
ぶわぁっ____っと、何かが溢れ出した様に目を輝かせ、自慢の愛くるしいアホ毛をハートにした萌映
そして最っっっ高の笑顔を向け
望月萌映『ヒロ〜っ!!』
と、駆け出し勢いよく抱きついた
望月萌映『あ〜んもう帰ってたの⁈ごめんね~心配かけて!はぅわ〜』
会いたかったよーと声を上げ、もちもちの頬っぺたと頬っぺたを擦り合わせる
ちなみに今萌映にしがみつかれているのは、萌映のルームメイト兼幼馴染
高城 紘(タカギ ヒロ)である
高城紘『ぃいたたたたっ!萌映っ、力緩めて!苦しいから!』
望月萌映『あらいやだ、ごめん!まだ力加減が難しくてっ』
高城紘『ま、まぁ…謝ってくれるならいいけど、てか早く入りな?ご飯冷めちゃう』
望月萌映『は〜い!やった~ヒロが作ったご飯〜っ!』
そしてるんるん気分で部屋に入る萌映、最後に紘が周りを見渡し扉を閉め、パタンという音が廊下に響いた
その夜皆が寝静まった頃、身体をゆっくりと起こし紘を起こす萌映
望月萌映『ねぇ、紘』
高城紘『ん、どしたの?…』
何やら真剣な眼差しで窓の外を見ている萌映、それを見た紘は慣れた様に
高城紘『今日もやるの?』
と尋ねた
それに対し、
望月萌映『そうみたい』
という萌映
実はこの2人には、誰にも言えない秘密がある____
望月萌映『そんじゃ、用意出来たし…行きますか〜』
高城紘『 オーケー、行こう』
大鎌を片手にばっちりメイクに着替えを済ませた萌映に、パーカーの紘
窓を開け、紘を抱えた萌映がベランダから飛び降りた
小さくモヤがかかったように濁る部分を除く
キラキラと光る街の灯りが逆さまに向き、それがまたすごい速さで元に戻り
また高く羽ばたくようにして飛び上がった…
___今夜も、誰も知らない2人の時間が始まった
キャラ解説
年齢・17歳 身長・168cm +(5〜7cmヒールのある靴)体重・ヒミツ
可愛いもの好きでオシャレをする事が大好き
年齢・17歳 身長・157cm 体重・48〜50kg
正義感が強く、同じく可愛い物好き 料理上手で面倒見がいい
萌映のクラスメイト、金髪のギャル。習い事をしている(琴と三味線)がほぼ関係ない。いわゆる陽キャというやつ。いい子。物語中盤からほぼ登場しない。
萌映のクラスメイト、清楚系黒縁眼鏡のしっかり者。かなり甘党。物言いがきつい時があるがいい子。同じく中盤からほぼ登場しない。
次回第2話『望月萌映』
コメント
14件
萌映ちゃんかわぁ〜✨️みんなキャラ立ってて好き〜✨️
ギャル語うまくて萎えますわ、 てぇてぇとカッケェ……(?)