※流血表現、残酷な描写あり
「…あーあ」
自殺を試み、崖から落ちるも、運良く致命傷を防げてしまった
「…結構な高さから、落ちた筈なのにぃ…」
鉛の様な体を起こし、後頭部に手を添える
生暖かい他の感触が、掌に伝わる
鋭利な石に、頭を殴打した筈なのに、全くもって痛みを感じない
「もう地獄に居る〜…とかではないよね」
ゴンゴンッ、と何度も足に頭を殴打しても
痛みを感じない、ただただ血が流れるだけだった
「…はぁ、死ねなかったか〜…」
「てか、足折れてんじゃん、ウケる〜‼︎」
足は骨が飛び出て、見るに耐えない程、酷い状態だった
「骨がぁ…、折れちゃった〜‼︎」
「…なーんて」
無理矢理、折れ曲がった足を元に戻し、立ち上がる
少々ガタつくが、歩けない事はない
壁に手を添え、折れた足を引き摺りながら、陸へと向かう
「…何で、死ねなか…」
「あ、分かった〜‼︎」
「って、ことか〜、うんうん」
「あは…っ、なるほどね〜」
底知れぬ罪悪感が、纏わりついてくる
無意識に、冷や汗が流れ出る
血と汗が混ざり合った液が、口の中へと入る
言葉に表せない程の、気持ちの悪い味
痛みという感覚は無いのに、何故か味覚だけが、残っている
「コレが、罪の味…ってヤツ?」
「随分と不快なお味〜‼︎」
暫く経っても、味が舌に残って消えない
口の中が、気持ち悪さで包まれている
不快な感覚、感触、気持ち悪くて仕方ない
「あとで、水でも飲むか〜」
「…ま、水飲んでも取れなさそうだけど」
この味はきっと一生、舌から離れないだろう
そう、犯した罪のように
潺拓人は、人を殺した
仲間との約束を破り、全てを滅茶苦茶にした
何もかも、手遅れな状態になってしまった
「…俺、泣いちゃいそう〜‼︎」
涙を流そうとするも、乾いた笑顔しか出ない
彼には、泣く権利すらも無いのだろう
「…あー」
「死にた…」
コメント
4件
必死にポジティブになろうとしてるのねわかる!!!
初ノベル、メチャ楽しかった