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じゃ「今日、部活行く人〜?」
放課後のチャイムが鳴ってすぐ、じゃぱぱが教室の真ん中で叫んだ。
じゃ「俺、今日は行かん! スマホの容量いっぱいで整理しないと!」
謎に自信ありげの顔で言った。
え「知らんがな」
ゆ「しょうもない写真ばっか撮るから〜」
みんなに突っ込まれる。
ゆ「えとさん、購買行くなら一緒に行こ!」
じゃ「え!ゆあんくんずるい!じゃあ俺も!」
え「もう行ったよ、2時間目の休みに。チョコスティックパン、ラス1だった!」
う「え、俺の分は?」
うりが顔をしかめた
え「なんでわたしがうりの分も買わなきゃいけないの」
う「うーん…優しさ? 愛?」
え「知らんし、重いわ!」
う「あっさり〜」
みんなが笑う中、教室の後ろの席。
転校してきたばかりのひろは、一人で教科書を片づけていた。
ひ「……」
の 「ひろくん、部活ってもう決めた?」
のあが声をかける
ひ「いや、まだ。何があるかもちゃんと聞いてなくて」
え「うちの学校、種類は多いけど、だいたい名前だけカッコいい系のやつ」
ひ「例えば?」
え「“クリエイティブ文化研究会”とか」
う「それただのボードゲーム部」
え「“総合探求部”」
じゃ「プリント作るだけの部」
ひ「……面白いな、みんな」
静かに笑った
え「あ、それなら“面白い研究会”っていう名前の部活作れば?」
ひ「君がいたら、入るかも」
一瞬、空気が止まった。
う「おーっと〜〜〜!?」
じ「ひろくん、それはちょっとズルいっすよ!」
ゆ「なんか、急にレベル高いな……」
の「ちょ、ひろくん……えとさんにそういうのは……」
え「え、わたし? 何も言ってないけど?」
ひ「ああ、ごめん。でもなんか…えとさん、うちの近くにいた猫に似てる」
えとさん「は?」
ひ「いつも気ままで、近づくと逃げるけど……ときどき、急に甘えてくる」
う「おいおいおい、比喩で殴ってきたぞ!」
じゃ「完全に、王子様タイプじゃねぇか……」
ゆ「……でも、ちょっとわかるかも。えとさん、猫っぽい」
の「みんな、ストレートに言いすぎ!」
え「なんでそんなに分析されなきゃいけないの……!」
でも、なんかみんなの声がにぎやかで、やっぱり嫌いじゃない
廊下から夕焼けの光が差しこんできて、教室の中がオレンジ色に染まった。
わたしは、ちょっとだけ手を伸ばして、
机の上のチョコの包み紙をくるっと丸めた。