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え「ねえ、うちのクラス、文化祭なにやるの?」
昼休み、わたしが言うと、じゃっぴがいつものテンションで腕組みして答えた。
じゃ「それを今から決めるのだよ、えとくん!」
え「くんじゃないし」
の「でも、そろそろ決めないとだよね〜。他のクラス、もう決まってるって」
う「じゃ、やっぱ定番でメイド喫茶?」
え「……なんでそっち行くのよ」
ゆ「それ、うりがメイド服着たいだけでしょ」
う「着せたいだけだよ!」
ひ「……あ、演劇とかは?」
ひろが静かに提案した。
じゃ「ほぉ〜。急に文化的な案きたな」
ひ「いや、別に演じたいわけじゃないけど…なんか、やってみたら面白そうかなって」
の「衣装とか大変だけど、ステージ映えはするかも!」
え「じゃあ、あれは? お化け屋敷。暗くして脅かすやつ!」
う「うわ、えとさんが暗がりで笑ってるのとか…普通にホラー」
え「なにそれ、失礼すぎ」
わいわいがやがや、会議というより雑談みたいな雰囲気の中で、クラス全体もざわざわしていた。
そこに教室の前から担任の先生の声が飛んでくる。
先生「はいはい、静かにー! 文化祭の出し物、今週中に仮決定だからねー!」
え「ってことで、さっさと決めないとやばいじゃん」
じゃ「えとさんが言うと、なんかやたら焦りが伝わってくるな」
え「やばいものはやばいでしょ」
そのとき、クラスの隅っこで、ひろがちらっとわたしを見た気がした。
「…….?」
視線が合うか合わないかのタイミングで、ひろはすっと目を逸らす。
……なんか、あれだ。わたしに何か言いたそうな顔だった。
だけど何も言わないから、こっちも何も聞けない。
ゆ「えとさん、演劇ならヒロインやる?」
え「え? わたし?」
う「たしかに、えとさんは主人公よりヒロインっぽい。なんか、知らないうちにみんな惹かれてる感じの」
え「なにその、説明しづらいキャラ設定みたいなの」
じゃ「でも演劇、アリだな。うり、書けよ。脚本」
う「え、俺?!」
の「うり、意外と妄想力あるからいいかもね」
う「妄想力ってなんだよ! でも……まぁ、考えとくか」
その瞬間、教室の空気がほんのちょっと変わった気がした。
みんなのテンションが、一段階わくわくに近づいた。
文化祭って、ただのイベントだと思ってたけど、
こうして準備してると、なんかそれぞれの“好き”とか、“思い”とかが、ちょっとだけ見えてくる。
……なんか、ちょっと、恋っぽい
こういう雰囲気って、なんかドキドキする。
チョコパンの話してた昼休みが、急にドラマの一場面みたいになっていく感じ。
「じゃあ、文化祭、演劇で仮決定しとく?」
「……やってみよっか」