翌朝ーー
薄いカーテンから朝日が差し込み、まぶたの裏がほんのりあたたかくなる。
目を開けると、すぐ隣に滉斗くんの寝顔があった。
「……おはよう、◯◯」
彼はもう起きていたらしく、寝ぼけ眼の私をじっと見つめて微笑む。
「起きた瞬間からかわいいとか……反則」
彼の指先が私の頬をそっとなぞる。
「ねぇ、まだ寝てていいよ?俺がずっと見てるから」
その声に反応するように、反対側から涼架くんが伸びをしながら顔を近づけてきた。
「おはよ、◯◯。うわ、朝の顔、やっぱ世界一かわいい」
「……ほら、もうちょっとこっち来て」
腕をぐいっと引かれ、今度は涼架くんの胸に収まる。
「朝からギューってしたくて、がまんしてたんだよ」
「ねぇ、昨日の夢みたいだったけど、ほんとに全部現実だよね?」
後ろからも、ひょいっと温かい腕が回ってくる。
元貴くんだ。
「おはよう、◯◯」
「朝日より君の寝顔のほうがきれいって、ずるくない?」
耳元で低い声が甘く響く。
「……あーもう、俺、朝から嫉妬してる」
「どっちに甘えるか選んでくれない?」
涼架くんが小さく笑う。
「選べないでしょ。だって俺も滉斗も元貴も、◯◯のこと好きすぎるから」
滉斗くんが私の手をそっと取り、自分の唇に当てた。
「朝一番に触れるのは俺がいい」
元貴くんがすかさず、私の髪に指を通しながら囁く。
「じゃあ、声かけるのは俺が一番だな」
涼架くんが負けじと私のおでこにキスを落とす。
「じゃ、キスは俺の勝ちね」
「ちょ、待って、朝から何争ってるの!?」
私が真っ赤になると、三人とも笑いながらさらにぎゅっと近づいてくる。
「ねぇ、朝ごはん作るより先に、もうちょっとこうしてていい?」
「◯◯の体温、今だけ俺たちのものにして」
滉斗くんが耳元で囁く。
「俺、朝の匂いのする◯◯が一番好き」
元貴くんが背中を撫でる。
「寝起きの髪、俺が整えてあげる」
涼架くんが頬をすり寄せる。
「朝は俺が一番にキスしたいって、何度も思ってた」
私はもう何も言えずに、三人の腕の中でただ息を呑む。
「……ねぇ、◯◯」滉斗くんの声が低く甘い。
「今日一日、俺たちだけで過ごそうよ」
「うん、俺もそうしたい」涼架くんが囁く。
「朝ごはんも俺が作るし、髪も整えるし、なんでもやってあげる」
元貴くんが私の指をそっと絡める。
「君が笑ってくれたら、それで俺は幸せだから」
そして三人が同時に、私のおでこ・頬・唇のすぐ近くに軽くキスを落とした。
「「「おはよう、◯◯。今日も、愛してる」」」
その声に、胸の奥がじんわりと熱くなる。
昨日よりも、もっと深く、甘く、溺れていく朝だった——。
「もうちょっとだけ寝よ」
元貴が言った。
「も〜う、しょうがないな〜」
そして、◯◯たちはもう十分だけ寝た。
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