テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
1,194
#QKBL
靄
51
雨音♪
211
今回視点が変わりやすいです!ご注意下さい! 御本人様には一切関係ございません!
sgiさんside
まさか…こんなことがあるなんて…
火の魔法に勝つ木の魔法…今まであり得なかった。それも、炎の鎖という、水の魔法でも高度なものでないと消せない魔法を木の魔法で消した…。
ym「ハァ……ハァ……」
…っと、まずは戦いに集中しないとな。俺は遠距離戦は苦手やけど、近距離戦は魔法を使うものでも体術戦でも得意。もちろんymmtだってそんなことは知ってる。それにymmtは遠距離戦の方が得意。だから遠距離から魔法を使ってくると思っていたけど、木の魔法を炎で燃やすのに苦戦しているところにymmtは詰め寄って魔法を近距離で使ってきた。近距離を苦手としていたymmtが。
sg「…。」
俺は警戒しながら、ロッドを強く握りしめた。
ym「僕は、貴方に勝つ!」
sg「…俺だって、負けないからな。」
俺たちは、得意な属性魔法しか使えない訳じゃない。だから炎の魔法が得意な俺に対して水の魔法を使えばいいと思うかもしれんけど、多分ymmtは自分の得意魔法で、自分が今までたくさん努力してきた木の魔法で俺を倒したいんだろうな。その努力は、火の魔法に木の魔法で勝ったことで証明されてる。油断は出来ないな。
それにこの力…もしかしたら………
ym「断空の疾風!」
!なるほど、風の魔法を纏うことである程度の魔法を弾きながらこっちに来ようとしてるのか。だったら…ここで一気に決める!
ymmtさんside
僕はずっと、先輩の誰にも模擬戦で勝ったことがない。特に、僕が苦手とする近距離戦に持ち込むのが得意なsgiさんと戦う時、どれだけ近くに寄せまいとしても、多彩な彼はすぐ目の前にいた。そして、反撃することも出来ず負けてしまう。
それが本当に悔しかった。 僕だって、たくさん魔法を学んで、実践して、試行錯誤して。頑張ってきた。
だけど、それは彼も同じ。sgiさんもたくさん努力している。魔法の研究をしながら、どんどん強くなっている。僕が苦手な近距離戦では魔法を放つか体術を使うかすぐさま判断する力が必要。僕はそれが苦手。でも、sgiさんは悩んだりしない。いつも最適な行動を取る。それはまるで、sgiさんに自分の運命を決められていたかのように進む。
それを、壊してみせるんだ。そして勝ってみせるんだ!!
ym「はぁぁぁぁっっ!!」
自分に風の魔法を纏わせたことで、スピードも速くなって、魔法が当てづらいはず…そこから近距離で仕留めてみせる…!
そう、思っていた。
ym「!うぐっ!!」
…何に当たった?今…自分の目では認識出来なかったほどの速さで魔法が繰り出された。
sg「…素速いのはええけど、その魔法が強いからって過信しすぎ。」
ym「!はやっ_
sg「チェックメイト。」
ym「あぁぁあぁぁあぁああっ!!」
……ぐっ…もう、立て、ない……
iz「…終了。結果、sgiさんの勝利!」
izwさんside
…さすがsgiさんだな。新しい魔法でも、弱点を見抜いた。
mn「い、今何が起こったんですか!?」
iz「詠唱なしで魔法を放ったんだよ。」
gn「詠唱なし!?そんなこと出来るんですか!?」
tr「その魔法を使い慣れていることとか、魔法の原理について完全に知ることとか色々条件はあるけど、多分その魔法の一つなんだろうね。」
俺の目は、ギリギリ捉えた。今の一瞬で何が起きたのか。
風の魔法を纏わせたymmtは、きっと魔法がきても弾かれると思っていたんだと思う。実際、俺も弾かれた経験があるから。だけど、その魔法の威力が高い故に弾けなかったんだ。sgiさんが持つあの魔法杖を素速く一閃させる間に、青い石は輝き、そこから大気を切り裂く音とともに熱線のような炎刃が一閃した後に現れ、纏っていた風の魔法にあたっても威力は衰えずそのままymmtへと当たった。
そして、怯むymmtの目の前に行き、魔法を放つことで終わったんだ。
fk「俺、ymmtの回復してくるね。」
iz「うん。多分手加減してるとは思うけど。」
kw「…さすが、微光の導き手と呼ばれただけあるなぁ。」
gn「!その二つ名…もしかして…!」
kw「そう。大学の5月のイベント、魔法使いダブルス対抗戦でついた二つ名。」
mn「!見たことあります!そのイベント!」
kw「あれ?でもsgiさんが大学生の頃にmnとgnは…」
gn「僕たち、Q国の大学に行きたくて、どんな学校か見に行きたくて行ったら、たまたまイベントがあった日だったんです。」
kw「そうか。そのイベントは観戦なら生徒以外も良いんだっけ。」
mn「はい。それで、sgiさんが準決勝で1人で出て来た時、僕たち思わず首を傾げちゃいました。ダブルス対抗戦じゃないの?って。」
gn「…でも、他のダブルス対抗戦の時とは違って、たった数分で勝負がついた。その時分かった。あの人は1人で十分なほど強すぎるんだって。」
kw「僕は参加してなかったから分からないけど、sgiさんの攻撃を受けた人は”諦めてしまいそうになる強さ”って言ってたよ。」
gn「…そんなに…」
kw「…僕も一度見に行ったけど…本当凄かった。今ほどの速さではないけど、それでもあの強さ…そして、遠距離戦を得意とする人だけじゃなくて、近距離戦が得意とする人の僅かな隙を見逃さず、その一筋の光を辿り接近してくる…迷いないあの人の姿をみて、みんな言っていた。
“微光の導き手“…って。」
mn「それ、他の生徒の方も言ってました。『微光の導き手のお出ましだ。』って。」
gn「まさかそれが、sgiさんのことだったなんて、今の今まで知りませんでした。」
kw「まぁ、4年生の頃は勉強に勤しんでいたから出場しなかったんだけどね。」
gn「そうなんですね。」
mn「…そういえば、trskさんさっきから静かですけど…どうかしたんですか?」
tr「えっ?あぁ…さっきのsgiさんの炎刃の攻撃…なんか見覚えあって…」
gn「え?たまに使ってるからとかじゃないですか?」
tr「…詠唱があったような気がしたんだけど…気のせいかな?」
sgiさんside
fk「2人ともお疲れ様。ymmt、回復するよ。」
ym「ありがとう、fkrさん。」
fk「にしても、熱かったよね!相殺するんじゃなくて、火の魔法に勝つ木の魔法なんて今まで見たことないよ!凄いじゃんymmt!」
ym「!」
sg「ほんと、ビビったわ。あの魔法は、高度な水の魔法じゃないと消せないはずなのに木の魔法で勝つなんて…強くなってるな。」
ym「…うん!」
…たった一回の模擬戦じゃ、ymmtの苦手な近距離での戦闘は克服できないやろうな。でも、戦って思った。コイツにはきっと、まだなにか、力が眠っている。だって、近距離戦に自分から持ち込んできて、すぐさま判断したり、ふらつくほどボロボロなのに立ち上がるあの姿勢……
…もしかしたら、この力が覚醒すれば…この調子で自分の強みを伸ばしていければ…あのお方に勝つ…なんてことも、あり得るのかもしれないな。
sg「(izwの案に乗って、この調子で、みんな強くなろう。そうすれば、アルドにも、あのお方にも勝てる…だけど……)」
ym「sgiさん?」
sg「!な、何?」
ym「ボーッとしてどうしたの?」
sg「…ううん。なんでもない。」
もうすぐ俺は、みんなの敵になると思うけど…でも、みんななら、アルドも、あのお方も倒してくれるって、信じてる。そして、俺のことも。
だって、俺がスパイだと知ったらきっと、裏切り者の俺を赦してはくれないよな。
いや、赦されちゃいけない。
こんなこと…赦されちゃいけないんだ。みんなのことを長年騙してきた俺を…信頼してくれているのに、その信頼を裏切ろうとする俺を…
だけど…
俺は、みんなと一緒にいたい。
俺は、みんなを裏切りたくない。
俺は…あのお方の下僕なんて本当はいやだ。
それでも、やらないといけない。
スパイなら、感情なんて必要ないと言われたんだ。こんな感情、捨てないといけないのに…
sg「……捨てたくないなぁ…」
fk「?何か言った?」
sg「…ただの独り言。」
fk・ym「…?」
俺は結局、どうしたいかなんてもう分からなくなっていた。
続く
閲覧ありがとうございました!
コメント
5件
あぁぁぁぁ、須貝さぁぁぁぁぁん………!!!!!! 程よく、辛いっすねぇ…
うわあ、この模擬戦、すごく熱かったですね…!ymmtさんが近距離戦に自ら踏み込んで、木の魔法で炎の鎖を打ち破った瞬間、思わず息を呑みました。でもsgiさんは一瞬の隙を見逃さず、詠唱なしの一閃で決めてしまう…「微光の導き手」の異名、納得の強さです。 ただ、一番心に残ったのは最後のsgiさんの独白です。「こんなこと、赦されちゃいけない」と自分を責めながら、「みんなと一緒にいたい」と願うその姿…。裏切り者の仮面を被りながら、心の奥では仲間を大事に思っている。この複雑な感情の描き方が本当に切なくて、胸が締め付けられました。続き、どうなってしまうんだろう…。