ここには兵士が立つ。
この世には国が存在する。
この世には国民が存在する。
兵士は国を護る護人。
国は国民、兵士、民族を象徴するもの。
国民は、国を作る者。
しかし、国無くして国民あらず。
その国民守るものは兵士。
それこそこの世の真理だと私は思う。
やがてその真理が戦争へと発展する。
この物語はその戦場で散っていった兵士たちの物語である。
2025年から”1941年”まで遡る。
1941年5月XX日 場所”大日本帝国横須賀基地”
?[はぁ〜我々はいつになったら最前線に出れるのだ。もうさすがに本土で訓練は飽き飽きだぜ。]
ここにいるのは石山という兵士。
彼は15歳で海兵団へと進み、17才で海軍に入隊した兵士だ。
石山[我々には哨戒しかやることがないのか〜…覚悟してる意味がないぜぇ…]
?[おいおい覚悟が無駄になることなんてないぞ。]
石山[あ〜、お前か。]
山田[やぁやぁ石山少尉さんよ。]
石山[へっ、お前も少尉なったくせによ。]
山田。こいつも石山の同期で同じ部隊に配属になった兵士だ。
山田[そんなこたぁどうでもいいんだよ。そういえば俺たちにも新型が配備されるらしいぞ〜。]
石山[新型?なんだよそれ。]
そこでとある少佐が話かけてくる。
とある少佐[なんだ貴様ら聞いてなかったのか?]
石山[はっ、はっ!聞いておりません!]
山田[わ、私もであります!]
驚いてあまりにも大きい声を出してしまった。
とある少佐[山田少尉…君が話してたんだろう…]
山田[は、はい!私が話しておりました!]
とある少佐[そこまで緊張しなくてよい。まぁそれは置いといて新型というのは新しいここに配備される新型戦闘機だ。]
石山、山田[し、新型戦闘機?]
とある少佐[あぁ、君たちももうすぐ前線基地に配備されるからなあんな旧式の96式艦戦でまともに米英と戦えるわけがないだろう。]
山田[そんなこと言っちゃっていいんですか…?バレたら注意どころじゃすまないっすよ、]
とある少佐[少佐だから良いのだ。]
石山、山田(あぁ…いいのねー…)
とある少佐[ところで、その新型の名前は君たち聞いたのかな?]
石山[いえ、知らないから聞いたのであります。]
とある少佐[そうか、なら教えてやる。]
山田[良いのですか?新型の名前を我々なんかに教えてしまって。]
石山[そ、そうですよ。機密じゃないんですか?]
とある少佐[もう既に配備はされている。今更秘密にしたところでいつかは君たちも乗るんだ。教えてもいいだろう。]
そしてそこで二人の少尉はこのあと長い間愛機となり親友となり、悲劇の機体となるものの名前を聞くこととなる。
その名は
とある少佐[零式艦上戦闘機。通称、零戦だ。]
石山[零戦…ですか…]
とある少佐[あぁ、開発年の皇紀2600年の0から取って零戦だ。]
零式艦上戦闘機、通称”零戦”は1939年に制式配備され始め、日中、対米英戦線にも長く出陣していった名機である。
bf109、スピットファイア、ハリケーン、f3f、p40、f4f、fw190。
このように既にたくさんの名機は誕生していた。
しかし日本には96式艦戦、97式戦闘機(陸軍)
という旧式の固定脚戦闘機しかなかった。
しかしこの零戦は違った。
日本初の脚が引っ込む”引っ込み式”だった。
この引っ込み式はもともとの固定脚による大きな空気抵抗を大幅に軽減することができた。
他にも新型エンジン、プロペラを旧式の2枚から3枚に、そして燃料の燃費のよさ、そして一番の見所”驚異の旋回速度”が長所とほぼ全てが世界に勝っており、初出撃の頃には”無敵の戦闘機”と呼ばれるほどだった。
しかし零戦には大きすぎる弱点があった。
とある少佐[この零戦は、たしかに新型でありとても強い!…しかしこの戦闘機には大きな弱点がある。]
石山[な、なんでしょうか?]
とある少佐[それは…他の性能と引き換えに装甲を全て取っているのだ。つまり、”装甲なんてない。”]
石山[装甲がない!?96式艦戦にはあったはず…]
とある少佐[仕方ない…世界に追いつくにはなにか大きな代償を払う必要があるのだ。その装甲の部分は攻撃力でまかなっている。]
山田[こ、攻撃力で?]
とある少佐[零戦の武装はとても強力でな、機首に7.7mmが2丁。]
石山[え?弱くないですか?]
山田[しっ!きっとなにかあるんだよ。]
石山[12.7mmとか?]
山田[そうかもな。]
とある少佐[そう思うかもしれない。なんでも世界は12.7mm止まりだからな。しかしこいつには驚異の20mm機関砲がついている。]
石山[20mm!?]
山田[おいおい…本当に攻撃力でまかなってしまってるやん…]
とある少佐[装甲がないのは致命的だが、攻撃こそ最大の防御ということを忘れるな。]
石山[は、はい!]
山田[はい。]
とある少佐[以上。今日はもう課業も終わっているはずだ。ゆっくり休め。そしてまあ課業に励むが良い。]
石山[あ、もうこんな時間…おい山田、隊舎に戻ろうぜ。]
山田[そうだな、それでは失礼します!]
石山[失礼します!]
とある少佐[おう、またな。]
そしてやがて新しい朝を迎える。
兵士たちは、太平洋へと旅立つ。
彼らの人生の艦首は、大東亜への夢へと進んでゆく。
大日本帝国は、滅亡の道を辿ってゆく。
第一話END
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