テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
冬休みのある日。咲は美優と駅前のカフェで待ち合わせをした。
外の冷たい風とは対照的に、店内は甘いココアの香りで満ちている。
「咲、なんか顔ゆるんでない?」
席に着くなり、美優がストローをくるくる回しながら言った。
「ゆ、ゆるんでない!」と慌てて否定するけれど、耳まで赤くなるのを自覚してしまう。
美優はにやりと笑いながらも、ふっと真剣な目になる。
「……でも、咲が幸せそうなの、私まで嬉しい」
その言葉に胸が温かくなり、咲は思わず笑みをこぼした。
「ありがと、美優」
窓の外では、ちらちらと雪が舞い始めていた。
冬の景色までもが、咲には輝いて見えた。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!