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ご本人様には関係ありません
nmmnという言葉がわからない方は見ないでください。
脱語脱字あるかもしれないですので。
微青桃
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「ころんはさ、幸せ?」
そう突然彼は言ってきた。
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これは12月のとても寒い日のことだった。
あたり一面の地面は、空から降ってきた雪で真っ白になっており、
風も雪も冷たく、温かい格好をしていないと風邪を引いてしまいそうだ。
僕の吐く息は、白く今は冬だということを表していた。
今は、ちょうど撮影が終わり家へと帰っているところだ。
隣の彼は、茶色い暖かそうなコートを着て、赤色のマフラーで口を隠している。
彼の桃色でさらさらとした髪の毛は、冷たい風になびいており、
藍色の目はどこか遠くを見つめている、
そんな気がした。
いつもの僕なら彼に話しかけているのだが、
今日は違った。
彼の寂しそうな、悲しそうな顔を見たら話しかけることができなかったのだ。
一体彼は何を思っているのだろうか。
そう考えても彼の考えていることなど分かるわけない。
分かるわけがないはずなのに、ずっと僕の視線は彼に釘付けだ。
なぜだろう。
自分までよくわからない感情になってきた。
もうすぐだ、あと数十歩歩けば僕の家に着く。
そして彼とはそこでお別れである。
結局彼が何を思いながら帰っていたのかわからないまま、家に着くのかと思った。
でも、そんなとき。
「ころんはさ、幸せ?」
と彼、さとみくんは訪ねてきた。
僕は突然だったことと、質問の意図がわからずうまく言葉を発することができなかった。
『ぇ?』
僕がやっと発したその言葉はただの情けない声で、
彼を困惑させただけだった。
「ぁ、 突然ごめんな。変な質問して、」
と彼はさっきまでの悲しそうな顔とは別の
寂しそうな、苦しそうな顔をしていた。
そして、彼は自傷気味に笑っており、
自分の悩み事を他人に打ち明けてしまうのは迷惑だと考えているのはすぐわかった。
僕はそんなさとみくんの顔に耐えられず、
何か話してそうだったが話を遮って言ってしまった。
『さとみくん 、さっきから悲しそうな顔してるけど何かあったの?』
と目を真っ直ぐ見つる。
彼は一瞬びっくりしたような顔をして、今にも消えてしまいそうな声で呟いていた。
「別に 、なにもっ。」
『嘘つき 、なんかあるから僕にさっきの質問したんでしょ?』
『別に、言いたくないんだったら言わなくていい。でも僕はさとみくんが苦しんでるのなんて見たくないだけ。』
『言いたいときに言ってくれればいいから、大丈夫。』
僕は彼に何も問い詰めることはしないと示す。
そういうと彼は覚悟を決めたような顔をして息を深く吸って、吐き
僕の目を真っ直ぐ見て話そうとする。
「俺の話、聞いてくれる?」
僕の答えは決まっている。
『もちろん』
彼は、また息を吸って、話し始める。
「俺さ 、自分が今幸せなのかわかんなくなっちゃたんよ、」
「今すとぷりとして活動してるけど 、本当にそれが正しい選択だったんかなって 、」
「もしかしたら他にもっと幸せになれる道もあったんじゃないかって 、考えるようになって。」
そうぽつぽつと吐き出すように話す彼。
「ごめん 、 。迷惑かけて 。」
そうやって自分を殺そうとする彼にムカついて僕は言った。
『何、言ってんの。別に正しい選択とかどうだっていいんだよ。』
『人生は一度きりだし、そんなの考えてたって意味ないよっ!』
『今を大切に生きていかなくてどうするの 。』
自分でも声が震えていることがわかる。
でもみっともない声だけれど、こんな声だからこそさとみくんにちゃんと僕の思いが届いてほしい。
「ころ 、」
今にも泣き出しそうに目元に涙を浮かべながら僕の名前を発する彼。
さとみくんの肩の震えを抑えるように、そっとやさしく抱きつく。
背中を擦り、大丈夫と伝えるように。
「ごめ 、ころぉっ」
そう大きめの粒の涙をながしてゆく。
僕の肩が濡れていることは気にせず、ただずっと彼を慰める。
彼は最年長に見えてまだまだ子供。
ときには精神が安定しなくなっちゃう時がある。
そんなときに、僕らが支えてあげないと。
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ご観覧ありがとうございました。
特に考えもなしに書いただけなので、つまらない作品かもしれませんが
いいね、もしくは作品への感想があると幸いです。