「沙良」
ベッド上。
ぐったりと、背後へ座る僕にしなだれかかっている沙良の首筋へ、そっと指先を這わせる。わざと爪を当てるように頸動脈付近を撫でたのは、キミの生死は僕が握っているんだよ? と彼女に知らしめたかったから。
「朔夜……さん?」
意識のハッキリしない様子でぼんやりと僕の名を呼んでこちらを見上げてくる沙良の身体は、まだ微かに熱を宿していた。僕が指をスルスルと動かすたび、沙良の身体が反応して背中越し、か細い震えが伝わってくる。
「……なにかな?」
汗で首筋に張り付いた沙良の髪の毛を払いのけるようにして愛らしい彼女の耳を甘く食みながら囁けば、沙良がビクビクと身体を震わせた。それはきっと快楽の名残だよね?
「それ、もぉ、イヤ……です」
口では拒絶しながらも、沙良は僕から逃げようとはしない――。
そのことに、僕は酷く満足した。
「それってどれ?」
言って、わざと意地悪くチュゥッと音を立てて沙良の耳たぶを吸い上げてから、首筋へ這わせた指先をツツツッと沙良の華奢な肢体に沿って下ろしていく。
余り大振りではないけれど程よく手にフィットする、形の良い双丘。
昨日から僕が夜通しかけて散々可愛がったそこは、全体がほんのりと赤く色付いて……ツンと天を突くように起ち上がったままの小さな乳首が、フルフルと震えながら懸命に存在を誇示している。
僕は愛らしいそこをわざと避けて色素の薄い控え目な乳輪に沿ってクルクルと指先を遊ばせて沙良を翻弄する。
「んっ」
触って欲しそうに身体を震わせる沙良が愛しくてたまらない。
「こんな……の……」
涙をにじませた瞳が僕を見上げてくる。か細い声で、拒むように……けれど縋るような声音で、沙良が吐息を落とした。
僕は、そんな沙良にふっと微笑んで、期待に震える沙良の乳首をキュッとつまんだ。
「やぁ、んっ」
「可愛いね、沙良」
素直に身体を震わせる沙良の耳元へそう声を落とせば、沙良の肩がふるふると震えてゆっくりと僕の手に白い手が添えられる。
「どうしたの?」
沙良がなにを求めているかなんて本当は分かっている。
だって、触れなくても沙良の秘所から、僕を誘うような甘酸っぱい蜜の香りがしてきているから。
「朔夜……さ、ん……」
沙良の小さな手が僕の指先を〝下も触って?〟と言いたげにギュッと握ってくる。
「ちゃんと言わなきゃ分からないよ?」
僕の意地悪に、沙良が泣きそうな顔をしてキュッと下唇を噛んだ。
「お願い……下も……」
その声音に僕は沙良をトンとうつぶせに布団へ突き倒すと、背後から何の前触れもなく欲望をゆっくりと侵入させる。
シーツのあちこちに、沙良が昨日までは確かに未経験の女性だったと知らしめるように赤いシミが付いている。
今はすっかり〝僕の形〟に馴染んだ彼女の蜜壺へ、僕はゆるゆると抽挿を開始した。
――沙良、もう、逃げられないよ?
――キミが、僕をこんなふうにしたんだ。責任は取ってもらわなきゃ。
そんな思いを注ぎ込むように、グイッと沙良の顔を自分の方へ振り向かせると、僕は薄く開かれた彼女の唇を塞いだ。
「んんっ」
息が苦しいと沙良が僕の手を握ってくるけれど、そのたびにギュッとキミの膣内が僕を甘やかに締め付けているのに気付いてる?
わざと絡めた舌先をチリッと噛んで、沙良のベロを傷付ける。
鉄臭い彼女の血が、唾液と混ざって鼻腔を突き抜けた。それは……甘く、蕩けるような、狂気の味――。
唇を離して沙良の口端を伝う血の混ざった唾液を舐めとって、僕は彼女を烈々に犯しながら問い掛ける。
「……ねえ、沙良っ」
「……っ」
「……キミはっ、僕のものだって、証明してっ?」
沙良は小さく啜り泣くようにイヤイヤをした。だけど、拒む力は、もうどこにもないよね?
僕は優しく手を伸ばして、沙良の首に両手を掛ける。
そうしながら下腹部の繋がりをより一層深めた。
「沙、良っ」
「……な、に……?」
「僕のこと、愛してる、って言って?」
沙良はぎゅっと目を閉じ、かすかに首を振った。
僕はふっと微笑んで、彼女の耳元で囁く。
「言わなくてもいい、よっ? ……だって、キミは、もう僕から離れられない、からっ。キミの呼吸も、心臓の音も、みんなみんな……僕のもの、だっ」
キミが僕にくれるものが、心か身体かなんて、どうでもいい。
これからキミには僕の部屋で、僕だけの手で、何度でも同じことを繰り返させてあげる。
誰にも見せない。誰にも触れさせない。
……僕以外のすべてからキミを隠して、閉じ込めて……壊れるまで何度でも可愛がってあげる。
――だって、ねぇ? 僕はやっと、大好きなキミを独り占めできたのだから。
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