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『帰り道』
夕焼けが街を赤く染めていた。
rd「今日も疲れたぁ。」
らっだぁが大きく伸びをする。
kyo「腹減った。」
きょーが隣で欠伸をした。
md「きょーさんさっき食ッテタ」
緑色が呆れたように笑う。
kyo「夕飯は別腹。」
rd「意味分からん。」
レウクラウド、コンタミ、近海の鯖も並んで歩く。
いつもの帰り道。
何度歩いたか分からない道。
何も変わらないはずだった。
⸻
co「……あれ。」
コンタミが足を止めた。
co「この電柱。」
六人が見る。
赤い矢印の落書き。
らっだぁが笑う。
rd「昨日もあったじゃん。」
sb「……そうですね。」
また歩き出す。
十分ほど歩く。
kyo「……おい。」
きょーが立ち止まった。
kyo「またあるんやけど。」
同じ赤い矢印。
同じ傷。
同じ自販機。
rd「偶然だろー」
らっだぁはそう言ったが、自分でも声が少し震えていた。
⸻
さらに歩く。
夕焼けは少しも暗くならない。
カラスは同じ場所を飛び続けている。
風鈴の音も。
犬の鳴き声も。
全部、さっきと同じ。
ru「……帰れてない。」
レウクラウドが静かに呟いた。
⸻
kyo「一本道だぞ?」
きょーが振り返る。
md「曲ガッテナイ」
md「ナノニ戻ッテル」
緑色は道路を見つめる。
近海の鯖が空を見上げた。
sb「夕日が……沈みません。」
太陽は同じ高さに浮かび続けている。
時間が止まっているようだった。
⸻
rd「試そう。」
らっだぁが走り出した。
rd「最後まで行けば抜けられるかもしれない!」
全員が走る。
走る。
走る。
息が切れる。
夕焼けの道をひたすら進む。
やがて。
赤い矢印。
自販機。
風鈴。
犬。
全員「……まただ。」
六人は黙り込んだ。
⸻
コンタミがぽつりと言う。
co「もしかして。」
co「帰り道だからじゃない」
他全員「……え?」
co「『帰る』って、どこへ帰ることなんだろう。」
誰も答えられない。
家。
学校。
仲間のいる場所。
それとも。
もっと別の。
⸻
近海の鯖が静かに歩き出す。
sb「私は。」
sb「帰る場所は、人だと思っています。」
rd「人?」
sb「はい。」
sb「一緒に帰る人がいるから、帰り道になるんです。」
夕焼けの風が吹いた。
誰も笑わなかった。
⸻
らっだぁは前を向く。
rd「じゃあさ。」
rd「全員で帰ればいい。」
ru「今までもそうしてたじゃん。」
rd「……うん。」
らっだぁが頷く。
六人はもう一度歩き出した。
歩幅を合わせる。
誰も先へ行かない。
誰も遅れない。
ただ、隣を歩く。
すると。
いつの間にか赤い矢印は消えていた。
風鈴も。
犬も。
夕日は少しだけ傾いていた。
md「抜ケタ …?」
緑色が振り返る。
そこには、歩いてきたはずの道はなかった。
ただ夕焼けだけが広がっていた。
⸻
やがて交差点に着く。
ru「じゃあ、また明日。」
きょーが手を振る。
kyo「またな。」
一人。
また一人と別れていく。
最後に残ったのは、らっだぁだけだった。
自宅の前まで来て、玄関に手をかける。
ふと振り返る。
さっきまで歩いていた帰り道は、夕闇に溶けて見えなくなっていた。
その時。
誰かの声が聞こえた気がした。
?「ねえ。」
【君は、本当に”帰ってきた”の?】
らっだぁは振り返る。
そこには誰もいなかった。
夕暮れだけが、静かに街を包んでいた。
**──終──
end あれはいったい?
コメント
1件
いやあ……読後、じんわりと胸が温かくなるような、それでいて背筋も少し冷たい、不思議な余韻が残りました。「帰る場所は人」って言葉が本当に沁みますね。六人が歩幅を合わせて歩いたら矢印が消えた——あの描写、すごく好きです。仲間との絆こそが道を開く鍵だったんだなあって。ただ最後の問いかけは怖い…。らっだぁが本当に帰れたのか、考え始めたら止まらなくなりそうです。素敵な作品をありがとうございました🤍
#色々
エンドる
960
こにゃ
921