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ドリー視点
「誰か居ますかー…」
俺らはとあるギャングのアジトの前に来ている。
昔よりも閑散としていて人気がなかった。
そんなとき後ろから、
「うちになにか用っすか。」
と聞き慣れた声が聞こえた。
「ハンさん。」
8年前と全く変わらない風防で彼はその場に立っていた。
「あの…折り入って話があって」
「…ギャングの話なら帰って。IRISは君等二人が警察を辞めた3年後ぐらいに解散してる。」
「あ、、、そう、、ですか。」
らだおくんもきっと同じような気分だろうが、自分たちが敵対していた組織が潰えるというのは嬉しいようにも思えるが人間自体は、仲が比較的良かったためとても悲しい。
「わざわざここまで来てくれたんだし話しでもしていかないか」
ハンさんは少し嬉しそうだった。
ハンさんに促されてハンさんの家に来た。
相変わらず警察署に住んでいた。
「おー!らだおとドリーじゃないか!久しぶりー!」
目の前にはハンさんと同じように八年前と全く同じ風防のオルカが立っていた。
「ああ。久しぶり。」
「だいぶ老けたなー二人共!」
「逆になんでオルカもハンさんも全く老けてないんだ?」
「…やっぱりそーいうのって気付くもんなんだな。」
「?なにかあるの」
「いや!なんでもないぞ!オルカとハンはずっとオルカとハンだ!」
「そうか…」
「…二人共、いい話と悪い話と悪い話どれから聞きたい?」
ハンさんは真剣な表情で言った。
「まあ、じゃあいい話から…」
と俺はいつもと変わらない声でいった。ハンさんはいつもと同じように応えた。
「新しい犬を飼い始めた、すっごく可愛くて、人懐っこいんだ」
「…じゃあ悪い話2つを…」
とらだおくんはいった。しかし、ハンさんは渋った。
「…あぁわかってる。ちなみに、二人の決意は固まってるか?聞く勇気があるか?」
「聞く。ちゃんと聞かせてもらう。最後まで。」
と俺は言った。
「そうか。で、らだおはどうだ」
とオルカはいった。軽い話ではないようにも思えた。
「いや、ここまで来たら引かない。流石に聞くわ。」
らだおくんはそういった。
「そうか。じゃあ…
自分が誰も頼れなくなってそれに耐えきれなくなったそうだ。」
「?!」
「皇帝は、最期に俺等と話した。その後銃声が聞こえたからもう居ないだろう。」
「なんで止めなかった。」
つい勢い余ってハンさんの胸ぐらを掴んでしまった。
「でも、その決断をしたのは皇帝だ。」
「そ、それはそうだが…」
「そりゃあ同期が死んだらそうなるよ。しょうがない」
そういいながらハンさんは自分の胸ぐらにある俺の手を直した。
「んで、もう一つは?」
らだおくんは少し落ち着いた様子で言った。もう力二が死んだので振り切れたようだ。
「ああ、もう一つ…もう一つな…今日の話なんだが、
まあ、17:00~5:00は流石に限界だったのかもな。先輩達が続々辞めていったあともずっとそれで働いていたそうだ。この街に来て、1日目から警察やってればそうにもなるさ。…ただ、判断が鈍ってしまっただけ。成瀬が死ぬ前に**警察を辞めていれば**どうにかなっただろう。その説明責任を問われて、二十日ネルも警察を自ら退職したし…」
「そう、、か。」
「ああ。」
「オルカお前たちに言いたいことがある。」
「なんだ?」
俺は食い気味に応えた。オルカがこんな事言うのを聞くのは警察の同僚の退職以来なかった。
「お前たちが、警察を辞めてなかったら。みんなを支えていたら。みんなを引っ張っていたら。どうにかなったんじゃないのか?」
(力二のことを追っているばかりで、他の人のことなど全く考えていなかった。上官二人が急に消える恐怖。喪失感は、とても多いものであろう。そんな中、今も警察を続けているオルカには頭も上がらない。)
「オルカはな、二人に自分を追い込んでほしいんじゃないんだ、また
俺の中にある、警察時代の気持ち、感情がフラッシュバックしてくる。
先に口を開いたのはらだおくんのほうだった。
「オルカ…もう俺達はただのおっさんだぞ?警察に行きたくても行けないような年齢になっちまったんだぞ?」
らだおくんは泣いていた。もう取り戻せない時間。それを思って涙したのだろう。
ただ、そのことに対するオルカの考えは違った。
「時間なんて、いくらでもあとから取り戻していけばいいだろう!それに、辞める前の署長と年齢ほとんど同じだぞ?w」
オルカはいたずらな笑顔を見せた。
俺は…「オルカ。俺、警察やるよ。まだ残ってる後輩たちをまとめるよ。」
いつもと変わらないように応えた。俺は、人との交流の場が欲しかった。
「ごめん二人共。俺は…行けない。」
以外な返信を寄こしたのはらだおくんだった。
「なんでだ?!オルカはずっと!ズっとマってたんだゾ?」
オルカの声がどんどんおかしくなっていく。俺はそこで察した。
(ああ、オルカは人間じゃないんだ)と。
それに気付いたハンさんは続いて、自分を人間じゃなくしたのか。
すべてが腑に落ちた。
「オルカ。俺はもうこの街nいらr」
シュンッいきなり目の前から銃声が響いたと思えば、そこにらだおくんはいなくて、らだおくんの血痕だけがくっきりと。
ただ虚しく落ちていた。
「この街から消える。本当に死ぬ。知ってはいたが、こんなものとは。」
ハンさんがゆっくりと口を開いて言った。
「コ、こんなのはアんまりダろ!」
オルカは、そのバグった声でいった。
その後俺達は静寂に包まれた部屋の中で、血痕しか残らなかった死体をただただ見つめていた。
おつぬ〜ここまで読んでくれた方ありがとうございました!
力二編をもう少し書きたい気持ちはあるのですが、マンネリ化するのも嫌なので力二編はこのへんで一旦締めさせてもらいます!
次回は番外編です!お楽しみに〜