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私は目を開いた。
ー第6話ー
『ほうか!…っ』
叫ぼうとしたとき。
喉に何かが刺さったような感覚になった。
ー君はヒーローになれないー
聞き覚えのある声。
オールフォーワンの声だった。
私は…ヒーローに…なれない…??????????????
『アアアアアアアア”!!!!!』
ーバギバギバギバギバギ!!!!ー
個性が暴走した。
地面が崩壊し、沢山の地割れが一気に現れた。
クラスのみんなが驚いていた。
ー「駄目だろう?崩壊は強いんだからそんなに暴走させちゃ壊れちゃう。」
『…!』
誰かが私の肩に触れた。
耳元で声がした。
その一言で私の個性はピタリと暴走をやめた。
オールマイト「お前はッ…!」
その声は、死柄木弔だった。
『兄…さん…?』
兄は私の顔を覗き込んでにんまりと笑った。
弔「うんそうだよ。もう大丈夫だからね。」
『…』
頭がまだ追いついていない私は混乱のあまり、無意識に兄に抱きついていた。
『…』
無言のまま。
オールマイト「珠洲…くん…?」
轟「あいつ…どうしたんだ…?」
勝己「おいおい、あれ死柄木弔だよなぁ…?」
デク「珠洲さん…」
弔「よーしよーし。」
『…フゥ』
私はいつの間にか意識を失っていた。
個性が暴走すると私は毎度意識を失う。
ー
弔は珠洲をお姫様抱っこしオールマイトに言った。
弔「こいつはもう2度とここには戻ってこないかもね。」
オールマイト「想像はついていた。でもこんなにも残酷だなんて…」
弔はオールマイトに背を向け、去ろうとした。
その時。
デク「待って!!!!」
弔は振り向いた。
デク「珠洲さんを返せ…!」
弔「ハハッ…そんなこと言ったって、珠洲をこうしたのはお前らだぞ?」
デク「ッ…」
弔「デクとか言ったっけ。取り返してみなよ。珠洲を。」
不敵な笑みを浮かべながら、弔はその場を去った。
あたりは静まり返った。
みんなあまりの事態に声も出ず、混乱していた。
オールマイトとデクは、弔が去った後ずっと手を握りしめていた。