テラーノベル
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ー第7話ー
『…』
さっきまで何が起こっていたんだっけ…
私は体を起こした。
辺りを見回すと、見覚えのある部屋と兄がいた。
『兄…さん。』
弔「おはよう珠洲。ここ覚えてる?」
そうだ。この部屋は私がヴィラン連合にいた頃に使用していた私の部屋だ。
『…うん。』
弔「珠洲はこれからどうしたい?」
どうしたいか。
もうあんなことしたんだからあそこには戻れない。
消去法ではヴィラン連合に入るという選択肢しかない。
つい最近まで絶対ヴィランになんかならないとか言ってたくせに。
私は自分の手を見て、兄を見た。
この前さらったときの兄とは思えないくらいの優しい表情。
今は弔としてではなく、兄として妹の私を見てくれている。
もう今日のことでわかった。
自分の個性は人を救うことができないと。
人を“壊す”ことしかできないと。
ならば。
『兄さんと。“壊したい”。』
私は笑いながらそういった。
兄も笑っていった。
弔「もちろん。一緒に壊そう。」
このとき、ヒーローである私が“崩壊”した気がした。
コメント
3件
短くてすみません!区切りが良くて切ってしまいました!後ほど8話出します👍🏻