団体様本人様一切関係ありません
名前伏せてません
hbsrでケーキバースです
ガッツリerはありません
地雷の方注意してください
━━━━━━━━━━━━━━━
「んーやっぱり味うっすらするくらいなんやけど…………あんま分からんなぁ」
1ヶ月くらい前から突然味覚がおかしくなった
体調が悪いとかそんなのは全然無いむしろいつもと変わらないくらい元気ではある
『……んぇ……ひばり……まだ起きてたの……?』
「おー悪い起こしちゃったか?」
『ううん………トイレ……行ってた……』
うぁーっと大きな欠伸をしながらセラ夫がのそのそと歩く
その時ふわりと甘い香りがした
「?」
香水変えたんか?って思ったけどパジャマには付けないだろうし柔軟剤とかの匂いとは違う、こう……何と言うか本能がくすぐられる?
『雲雀、一緒に寝る?』
「んぉー寝るかぁ……ってかセラ夫いい匂いするの何で?」
『え?』
寝る?と尋ねてきたセラフは雲雀を抱きしめた
それに雲雀が何の匂い?と問い手を取りすんすんと確かめる
「やっぱり……何やろ?」
『雲雀?』
「キスしてもいい……?」
『えっ…………い、いよ…』
雲雀はセラフの手の甲にそっとキスを落とす、するとどうしたものか今まで全部味を薄く感じていたのがこんなに甘くハッキリと分かる
“これは美味しい”
「俺さ、ここ1ヶ月くらい味分かんなくてさ」
『…………それって…』
「原因わかんなくてさ……でもセラ夫が今俺の前通った時凄く甘い匂いがして……」
『雲雀……もしかしてフォーク…?』
「フォーク?何それ……?」
『ちょっと待って、一緒に来てくれる?』
「おん」
セラフは雲雀の手を引き本棚のある部屋へ連れてくる
雲雀には難しいであろう話しの本ばかりが並んでいて、背表紙を見てるだけでも頭が痛くなりそうだった
『え、と……あったこれだ』
「何これ?」
1冊の分厚い本を渡される
これを読むの?と顔に出ていたようだ、セラフはページをめくり読ませたい所を指さした
「何なに……?「ケーキ」、「フォーク」、「その他」の人間が存在する。世界を構成するのは「その他」の一般人が大多数を占めている。「フォーク」の人間には通常の味覚が無く、「ケーキ」である人間だけを甘くて極上のケーキのように食べられる…………これって…」
読んだ後にセラフの顔を見ると全部わかった?と言いたそうに泣きそうな顔をしていた
『うん……他のものの味がしなくて俺から甘いって感じるって事は、そういうことなんだと思う……俺が……ケーキで雲雀がフォーク』
「うぇ……そんなんあるんやねぇ……」
『昔、色々あって俺攫われそうになった事があって……』
「……っ!?」
『それからいつ食われるか分かんないこんな世の中でフォーク怖いなとか思ってたんだけど』
「……セラ夫……」
『雲雀ならさ、我慢しないでお腹空いたら俺の事、食べていいからね?』
食べていいそう伝えたら雲雀はセラフの肩をガッと掴み、ダメだ、と言わんばかりの顔でセラフを見つめる
「いや、食べないぞ俺は、食べたら傷つくのセラ夫やろ?絶対やらん!むしろ大事にする……!!!本当に絶対!!」
『……でも、雲雀が死んじゃうよ……』
俺は平気だから!と雲雀は笑顔を見せた
その優しさもセラフの不安を消してくれた
「あんがとな、心配してくれて……セラ夫が大好きだから一生大切にする」
『ん…………俺もありがとう……大好き、雲雀のこと』
「もう一回キスしてもいいか?」
『いいよ……雲雀は俺の事食べないって言ってくれたから……そのかわりにいっぱい味わって……ほしい…』
「手、もう一回貸してくれるか?」
『……はい』
差し出されたセラフの手を取り薬指を根元まで咥えて歯型付ける雲雀
卑猥な水音たてながら口から出して
「指輪みたいやろ?」
……ってニヤつきながら話す雲雀に顔真っ赤にして照れるセラフ
『雲雀、のえっち…………///』
「はは、セラフずっと一緒に居ような……」
『うん………』
「今日指輪、買いに行くべ!」
『それはちょっと早過ぎない?!』
「セラ夫は嫌?」
『嫌じゃないけどさ…………』
「俺と結婚してよ、傍に居てくれませんか」
『………………っ!!』
黙って頷いたその瞳が優しくて泣いてしまった
愛おしくて大切で誰にも渡したくない
手を繋いで、抱きしめて、キスをして
二人は今一瞬の幸せを噛み締める
「俺幸せだよ、カッコよくて素敵な彼氏じゃなくなったのか…えっと……旦那さん…出来たから……」
『せっ……セラ夫~!!』
「一緒に幸せになろ……改めてよろしくお願いします」
さっきまでの不安でいっぱいだったセラフはもう居ない
幸せで心も身体も満たされている
ケーキで生まれてきて……家族に迷惑をかけた時もあった、こんな自分を呪った事だってあった、でも今ケーキで良かったかも……なんて思えるようになった
それだけ幸せなんだから
コメント
4件
ケーキバース!!!!大好物です、最高 なんでそんなに可愛いんだ、せらお…ひばのめっちゃ甘やかす感じが非常に好きです