br side
一瞬、僕は何が起こったか
理解できなかった
崖から飛び降りて
強い衝撃に襲われた
確かに、血は流れている
でも
“僕の血じゃない”
痛みもない
shkとnkの先生が
僕の下敷きになって
赤に染まっていた
これは絶対に
僕のせいとしか言えない
巻き込んでしまった
関係のない人までを
僕は崖下で手を地について
動くことができなかった
shk side
nk「え…今……先生…」
俺らは確かに見ていた
先生が咄嗟に飛び降りて
brを庇っていたのを
時が止まってしまったかのように
音はなく
頭の中が真っ白だ
しばらく佇んだままいると
サイレンの音が響き
我に返った
救急隊員「負傷者はどこですか!?」
kn「こ、ここの崖の下です…!!」
いつの間にか
誰かが呼んでいた救急車
人が出てきて
knが対応していた
救急隊員「〜〜〜〜〜〜〜」
kn「〜〜〜〜〜〜〜」
brが無傷で戻ってきて
先生が出血して運ばれていた
その後は
knが先生の付き添いで救急車に乗った
救急車は走っていき
4人取り残された
何が起こったが、訊かなくとも検討がつく
brに
なにを
どう
声をかけたらいいのかわからなかった
kn side
病院の椅子に座って
shkとnkの先生が手術室から
出てくるのを待つ
俺は突然のことにパニックになりながらも
必死に脳を回転させた
救急車で付き添いをしている時
とあるものを見せてもらったのだ
彼の、“身分証明書 ”
職業に
生年月日
名前
曖昧な記憶
俺の知る人に似ていた
よく考えれば
髪の色
瞳の色
似ている気がする
偶然なのかもしれないけど
偶然とは思えないほど
面影を感じてしまった
もしも、
なんて考えていたら
瞳の奥が熱くなって
泣いてしまいそうになった
落ち着こうと、外の空気を吸いに
少しの間 病院から出た
生ぬるい風を浴びていたら
ふと、兄弟のことが気になって
スマホを起動した
いくつか
shkからの着信
kn「………あ」
またshkから電話がかかってきた
俺はなにも考えず
電話に出た
shk「先生は…大丈夫?」
kn「今は手術室にいるよ」
大丈夫
なんて言いきれなかった
俺にできたのは
現状を伝えるくらい
kn「そっちは?」
shk「一旦家に帰って、brが部屋に引きこもってる…」
無理もない
死のうとしたら
庇われて
kn「俺はkr…さんが目を覚ますまでは病院にいるつもり」
「目が覚めたらshkに連絡するよ」
shk「ありがとう、…」
電話を切って
俺は再び病院に入った
kr「は……ぁ…?」
懐かしい
独特な病院の香りに
全体的に白い構造
また
生きてたよ
あの時とは違う
今の俺は
笑えている
なびくカーテン
あたたかい
月の光が入り込む
?「んっ…ふぁ〜…」
横から
声が聞こえた
kn「…ぁ…おはよう…ございます…?」
困惑した表情の彼
kr「…おはよう」
俺は迷いながら言った
「……*きんとき*」
kn「え ッ………?」
青色の瞳が揺れる
俺は起き上がって
優しく背中をさすった
kn「きりやんは ッ………」
「俺の知ってる…きりやん……なんだよね…?」
涙声で
泣いているせいか
少し体が震えている
kr「そうだよ。」
「きんときの知る」
「お兄さんだよ」
コメント
4件
やっぱりだ...!!!! 😆💥🎉 すごいです...ほんと......、伏線神です... 👏👏👏 krさんがknさんの名前呼んだ瞬間発狂しました。😱 そして涙だばーですよ。 どうしてくれるんですk