ドラムの爽快なリズム。ベースの奥ゆかしい歪み。ギターのメロディライン。
ボーカルの力強さが部室内に響き渡る。
💧「よし!後はみんな自主練!」
🥂「はーい!」
🗝「おkっす」
🗝「相田、ここ合わんから自主練付き合って! 」
相田「おけ〜!」
2年の相田。このバンド内のドラムを担当している。ローレンとは同じ学年でクラスは違うものの仲が良い。そして唯一の軽音部彼女持ちだ。
佐藤「ロレ先輩!俺歌上手くなったでしょ?かっこいい?ねぇかっこいい? 」
🗝「あぁー確かにね。はいはい」
💧「俺ちょっとお手洗い行ってくる。」
そう言い、イブラヒムは着いてこいと言わんばかりの視線を不破湊に送る。
🥂「あぁー俺も行く!」
💧「流石にあれは分かりやす過ぎ。」
🥂「何が?」
💧「佐藤のことだよ!見てて分かんない?どういうアレか知らんけど…恋愛沙汰だったらどうしよう。」
イブラヒムが不破湊に事を伝える。
🥂「うーん、申し訳ないけど俺はずはの方応援する。」
💧「それはね、葛葉も佐藤もってあいつ結構モテるんだな。しかも男に。」
🥂「まぁ男から見ても相当可愛いし、放課後遊んだ時なんて男の制服着てるのにナンパされてたからね。」
💧「あいつ男ばっかじゃん。」
🥂「女の子よりも厄介だったりするし、ロレが男にモテるの何となく分かっちゃうのもなんだかな〜」
イブラヒムも不破湊もかなりローレンを気に入っており、話題は尽きないまま部室に足を運ぶ。
🔫「あっそれこっち置いといて」
🎲「あい」
葛葉が書類の入ったダンボールを机に置く。
🎲「てか生徒会ってこんなに人手不足なの?」
🔫「そんなこと無いよ、俺が葛葉に雑用押し付けてるだけ。」
🎲「サイテーww 」
🔫「でも交換条件として話持ち出したのは葛葉の方でしょ?」
葛葉の目が泳ぐ。
🎲「まぁ…」
分かり易く動揺している葛葉を叶は面白がる。
🔫「こんな葛葉初めて見た。好きな子の事になるとこうなっちゃうだね。」
葛葉は2年生の時の文化祭で軽音部のライブに足を運んだ。だが葛葉はそこでベースを引いている赤毛の女の子に一目惚れをしてしまったのだ。数日後ローレンが男であることを知り儚い恋だったかと思いきや、そんなことも無く、恋を見事に拗らせてしまっていたのだ。
そこから叶とそのローレンという少年が知り合いであることを知る。叶にローレンのことへの恋愛相談や第二図書室の鍵を貸してもらう代わりに葛葉は雑用を請け負ったのである。
🔫「で、やっと昨日ローレンと話せたんだ。今日は一緒にお昼ご飯も食べちゃって。どうだった?」
🎲「……初手めっちゃ失敗した。あんな感じで話しかけるんじゃなかった。」
葛葉はそう頭を抱える。
🔫「でもお昼休憩でいっぱい話したんでしょ?あだ名まで付けてもらったんなら好調じゃん?」
🎲「……」
🔫「どうせ葛葉のことだから、アタックの仕方も分かんないだろうし僕が特別に教えてあげる!!」
そう言い叶はウィンクをする。
🎲「でも俺今日カフェオレと焼きそばパン奢った。めっちゃ喜んでたし。あれは成功デショ」
🔫「……そんなん普通の先輩でもすることでしょ。」
そう叶は呆れる。
🔫「もっと特別感を出さなきゃ。恋愛対象として見てもらうには引かれないぐらいの好きを全面に押し出すんだよ!」
叶はそう熱弁する。
🎲「ぉお前なんでそんな詳しんだよ。普通にこわー。」
🎲「参考にはするけどなんか俺っぽくねぇよ。もっとスマートなやつちょうだい!」
葛葉は前のめりになり叶に問いかける。
コメント
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多分初コメかな?失礼します! めっちゃ続き楽しみです💕