テラーノベル
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翌朝のオフィス。なつは昨夜、いるまに甘えられながらも必死に修正した資料を手に、部長席へと向かった。
「……いるま部長。昨日の資料、修正が完了しました。ご確認をお願いします」
周囲には他の社員もいる。なつは完璧な部下の顔をして、デスクに資料を置いた。
いるまは書類に目を落としたまま、表情一つ変えない。冷たい空気が二人の間に流れる。
「……あぁ。そこに置いとけ」
(……やっぱり、会社だと冷てーな)
なつが少し肩を落として自分の席に戻ろうとした、その時。
いるまが資料をパラパラと捲りながら、ペンを走らせる音が止まった。
「……暇。ここの修正、悪くない。……いや、期待以上だ。よく短時間でここまで仕上げたな」
ボソリと、でもはっきりと。
周囲の社員たちが「えっ、あの鬼部長が褒めた……!?」とざわつく。
いるまは相変わらずなつと目を合わせず、淡々と次の書類に手を伸ばしているけれど、なつには分かった。
資料の端っこ。
付箋の裏側に、小さく、本人にしか読めないような乱れた字でこう書かれていた。
『 100点。なつ、かっこよかったぞ。早く帰って抱きしめたい。』
(……っ、……バカかよ、仕事中に……!)
なつは顔が火照るのを必死に堪え、「……ありがとうございます」と短く答えて席に戻った。
チラリと部長席を盗み見ると、いるまは相変わらず険しい顔でパソコンに向かっている。
けれど、その耳たぶがほんのりと赤くなっているのを、なつは見逃さなかった。
「……あーあ。早く帰らねーと、あの大型犬、また玄関で泣くな……」
なつはキーボードを叩く手に力を込めた。
誰にもバレない、二人だけの秘密のやり取り。
会社での「厳しい上司」と、家での「甘々な恋人」。
その境界線にあるこの瞬間が、なつにとってはたまらなく愛おしいご褒美だった。
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コメント
1件
お疲れ〜!今回のエピ、最高だったわ…❗️ 会社で冷徹な上司を貫きながら、こっそり付箋にあんなラブメッセージ書くなんてずるすぎるだろ…!あのギャップに胸がギュッと締め付けられたよ。なつが「バカかよ…」って照れてる場面、こっちまで顔が熱くなった。 で、最後の『大型犬が泣く』って表現、めっちゃ来た。二人だけの秘密のやり取りが愛おしくてたまらん。オフィスラブの醍醐味を存分に味わわせてもらったわ🔥次回も楽しみにしてる!