【小噺1:おもしれー女】
「フロイド!君って奴は…伝統行事で何をやっているんだい!?」
「はぁ?何金魚ちゃん。やる気でないんだから仕方ないじゃん。追いかけられないとかつまんないし」
「そうか?……なら、これならどうだろう」
「んー?」
フロイドが登っている木から離れ、キョロキョロと辺りを見回す。すると、都合よく怪物チームが居た。
「あれ監督生じゃね?」
「ホントだ……ってなんかこっち来てね?」
「いやいやそんな訳…えなになに怖い怖い!!」
「あああああこっち来んな!!!!!」
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
数が限られているので無駄打ちする訳にはいかない。そこで優雨が考案したのはビーンズを手袋に編み込みんだ特性手袋である。こうすればタッチするだけでいいのでビーンズも減らない。農民チームが逆に怪物チームを追い掛けたというクッソ面白い事をした小エビにそこに沈んだフロイドの機嫌は急上昇した。金魚ちゃんことリドルは哀れな怪物チームに手を合わせた。
「何それおもしれーじゃん♡やっぱ小エビちゃんってさいっこぉ♡」
「追われるだけと言うのも正直性にあわない。だから逆に追いかけてやった」
「あはぁ、金魚ちゃんこれあげる〜」
「何を勝手に……ってこれビーンズシューターじゃないか!!」
【小噺2:誰にも見せないツーショ】
「けいと、いつもいっているがかめらを向けるのやめてくれないか」
「ごめんごめん。監督生ちゃん綺麗だし有名人だから映えると思ったんだけどな〜」
「ばえというのがなんだか知らないが…その箱はそんなに面白いのか?」
「箱って…スマホね、スマホ!監督生ちゃんもやってみる?」
「いいのか?」
「勿論!監督生ちゃんならいいよ〜」
「そうか、ありがとう……ところで、どうやって使うんだ?」
「うん?監督生ちゃん何やってみたいの?」
「かめらを使いたい」
「おっけー!何か撮りたいものでもあるの?」
「ああ。少しな」
ケイトはすいすいと手馴れた手つきでカメラを開き、指を指しながら撮り方や自撮りの仕方等を一通り教えた後、優雨へ渡す。
「よし、それじゃあ撮るぞ」
「えっ?」
そう言った優雨はケイトとの距離を縮め、スマホを上にかざし、シャッターボタンを押す。突然の事で困惑しているケイトと精一杯の笑顔(表情筋があまり仕事していない)でピースする優雨というレア過ぎる写真を撮った優雨は満足そうに頷き、ケイトにスマホを返す。
「ふふ、どうだ。いつもの仕返しだ」
したり顔(表情筋があまりry)をした優雨はチャイムが鳴ったことによりケイトとの距離を離し教室へ戻る。その間ケイトは真っ赤になった顔を押え悶絶していた。
「も〜…なんであんな可愛いことすんの…!!」
(やば、顔超熱い……こんな顔じゃ授業受けらんないじゃん…!)
恋愛慣れしてそうなケイトだが、実は好きな子には案外弱いという可愛い一面もあったのだった。
(こっからどうしよう…優雨とのツーショ写真を増やして、徐々に距離縮めて、周りが付き合ってるって思わせるようにしようか。)
「逃げられると思わないでね、俺だけのアリス」
訂正。全然可愛い一面などではなく、猛獣の間違いであった。
【小噺3:贔屓どころの騒ぎじゃない】
「くるーえる先生。お悩みのようだが、如何なさったんですか?」
「ああ、仔犬か。それと言えてないぞ。まあいい。この薬品を運びたいんだが、いかんせん量が多くてな。危険な物もあるから魔法で運ぶ訳にも行かなくてな…」
「それなら、私が手伝いますよ」
「いいのか?言っておくが、結構重いぞ?」
「だから言っているんです。それに、丸太よりかは軽いでしょう」
「丸太………??いや、それはいい。手伝ってくれるのはありがたい。Goodgirl!後で飴をやろう」
「ありがとうございます。私は何を運べばいいですか?」
「とりあえずそこら辺の箱を運んでくれればいい。薬品だから扱いには気を付けろよ」
「畏まりました。」
そう言って優雨は箱を4個程科学室に運んでいき、ついでに収納を手伝い、クルーウェルに頭を撫でられた後別れていった。乱れた髪を手で治しながら歩いていると、トレインとルチウスの姿を発見した。
「こんにちは、とれいん先生。何か探しているんですか?」
「あぁ、冩屋か。ペンダントがなくてね、探しているんだ。これくらいの大きさなんだが…知らないか?」
「ヴナーオ」
「そうなんですか…残念ながら見ていませんね。私も探すの手伝いますよ」
「…そうだな、頼んでもいいかい?」
「はい。今日無くしたんですか?」
「そうだ。今朝付けたから間違いない。だが、いつの間にか無くなってしまって…最後に見たのは…確か3限目だ。」
「3限目ですね。ではその後から行った場所はどこですか?」
「職員室と資料室だ」
「わかりました。では私はその辺を探してみますね」
「すまない、助かるよ」
「いえいえ、困った時はお互い様ですので」
トレインと一旦別れ、まず職員室へ向かう。職員室へは入れないのでその周りの廊下を探す。
「ここにはない……か。資料室へ行ってみよう」
もしかしたら他の生徒や先生が見ているかもしれないと思った優雨は資料室へ行く前に聞き込みをすることにした。因みに監督生は数々のオバブロや問題等を解決しており、結構生徒からも人気が高い為、話し掛けても普通に対応してくれるのである。
「ペンダント?見てねぇな。探してんなら手伝ってやろうか?」
「俺ら丁度暇だしなー」
「いいのか?」
「まぁ前に助けて貰った仮があるしな」
「お前初めて高くとべたからテンション上がってバランス崩して落っこちたんだよなww」
「しかもお姫様抱っこされてさwwあん時のお前の表情完全に乙女だったぞwwww」
「言うなよ!!!しょうがないだろ人魚なんだからよ!!!!」
「そうか…ならお言葉に甘えるとしよう。これくらいのぺんだんとなんだが、見つけたら私じゃなくてとれいん先生に渡してくれ」
「なーんだ、監督生のじゃねぇのか。ま、いいよ」
「監督生ちゃんもお人好しだな。頑張れよ〜」
「ああ。ありがとう」
生徒が手を振ってきたのでそれを真似して控えめに手を振る。生徒と別れた優雨は資料室へ向かった
「ここにもないな」
「……?あれは………」
優雨の目線の先には3人組の生徒が居た。腕に巻かれているリボンからサバナクロー生とスカラビア生ということがわかった。
「高価なもんかと思ったけど違ぇじゃん」
「じゃあいらね。そこにゴミ箱あんし捨てれば?」
「届けてやらねぇのかよw」
「めんどくせぇし俺あいつ嫌いだし」
「いらないのであれば私にくれないか?」
「あ?誰だ……って監督生!?ごごごごめんなさい!!!!あげる!!あげるからこっち来んな!!!!」
「お前何そんなビビってんのw」
「?私何かしただろうか……ああ、そういえばお前はこの前の怪物ちーむに居た奴じゃないか。急に追い掛けてすまなかった」
「い、いい!いいから!!お前の目マジ怖ぇんだよ!あのルーク・ハントと同じ目してんし!!!」
「え?マジ?あのルーク・ハントと…?ヤベェ奴じゃねぇか俺は逃げるぞ!!」
「ふっざけんな!!!俺を置いてくなよ!!」
「渡してくれないのか?」
「やる!やるから!!じゃあな!!!」
「そうか。ありがとう」
そこまで怯える程なのか、悪い事をしたなと思うがその前に一刻も早くトレインへ渡さねばと考え直し、トレインの居た所へ行くと、移動したのかトレインは居なかった。探し物をしているのだからそれはそうか、と納得した優雨はトレインを探す事にした。
「ナーーヴ」
「……るちうす、か?とれいん先生がどこにいるかわかるか?」
「ゥナ゙ーオ」
「そっちか?わかった」
優雨は動物言語は分からないが、何となく言っていることはわかるのでルチウスについて行く事にした。ルチウスに合わせてゆっくり歩いていると、角を曲がった所にトレインが居た。
「二゙ァナーオ」
「冩屋を連れてきたのか?ありがとう」
「とれいん先生。ぺんだんとというのはこれで合っているだろうか?」
「!そうだ、これだ!ありがとう。大切な物でね、見つかってよかったよ」
「それは良かった。」
〜翌日〜
「冩屋、この前のお礼にどこか出掛けないかないか?」
「おっと、トレイン先生。仔犬は私が先に誘っているのですが?」
「どちらを選ぶかは冩屋が決めることだろう。先とか後とかは関係ないのでは?」
「はは、何をおっしゃる。仔犬は飼い主を選ぶに決まっているだろう」
「おや、何を言う。冩屋は人間だ。冩屋、君が来てくれたらルチウスも喜ぶよ」
「ナ゙ーォ」
「教師の中で俺は仔犬と歳が近い上に俺は担任だ。“年功”であるトレイン先生より俺との方が仔犬も話しやすいだろう」
「冩屋は魔法史に関心があるようだし、それに冩屋は他の生徒より落ち着いている。クルーウェル先生みたく仔犬などと品のない…おっと、すまない。落ち着きのない教師より私の方がいいだろう」
「「ははは」」
「いやいや、年寄りは説教臭くてかないませんな。ああ、何もトレイン先生が“年寄り”だとは言ってませんよ。ええ。ただ、そんなんだと仔犬も気が休まらないでしょう?普段勉学に励んでいる仔犬に必要なのは休息です。魔法史だけしか話題がない人よりかは俺の方がいいでしょう」
「喋り続けなければならないのは休息では無いだろう。それなら私とゆっくりした方がいい。それに、クルーウェル先生は自分の教え子の事をよく分かっていない。冩屋は無理に休めと言っても休まないだろう?なら、勉強を混じえて読書でもする方が丁度いい。…私は知っているのだよ?先日君が首輪を新しく購入していたということを。しかも、冩屋の首のサイズ物を。大事な生徒に首輪を付けようとする“阿呆”な教師と一緒では休息も何もないだろう」
「「ははははははははははは」」
火花を散らしてる教師2人を遠巻きに、いつメンがドン引きしながらも優雨を保護する。
「怖い怖い怖い!!!!せめて俺らのいない所でやってくださいよ!!!」
「りゅーす、前が見えないのだが。それと何も聞こえないのだが」
「すまない監督生、少しの間我慢してくれ…嵐が過ぎるまでの辛抱だからな」
「監督生サンはこのまま何も見ないでいいからね。耳聞こえないだろうけどもう少し我慢して」
「しかも遠回しなようでドストレートに悪口いってるぞ!!!!互いにナチュラルに悪口言ってるぞ!!!!!」
「生徒の前で何やってんだ………」
デュースは優雨の目を両手で隠し、エペルは耳を塞ぐ。トレインが来たあたりから不穏な空気になっていたのでその時点で回収済みである。
【小噺4:健康診断の結果を見た時の1年ズの反応(会話文のみ)】
「なんか、最近ジャミル先輩達の様子おかしくね?」
「確かに過保護だよな……」
「何かあったのか?」
「それがさ、気になって先輩に聞いてみたんだよ。そしたらこれ渡された」
「エースくん、これなに?」
「知らん。監督生の許可貰ったら見ていいって言われた」
「ん?…ああ、それか。別に見ても構わないぞ」
「んじゃ遠慮なく」
「少しは遠慮しろ」
「どれどれ…って、は?」
「僕にも見せろ!!!」
「………俺も見てぇ」
「何が書いてあ……あ゙?」
「なん、え?な…え?ナニコレ」
「健康診断だが」
「いやいやいやいや、おかしいでしょ」
「ドッキリか何かだろう。そうに違いない」
「……人間………人間……」
「……だ…」
「じゃっくどうしたんだ?」
「食育だ!!!食堂いくぞ!!!!!」
「僕らも行くぞ!!!!購買で何か買ってくる!!!」
「ワーもいぐ!!いっぺぇうめぇ飯食わんと!!林檎ぐぅか!?」
「いや、本当にどうしたんだ皆」
「うっせぇお前はなんでそう平然としてんだ!!!てか毒って何!?」
「毒は毒だ」
「そういうことじゃねぇ!」
「監督生!!!死ぬなーー!!!!」
「そうだな」
「死なねぇっていえや!!!!!!」
力尽きた( ᐛ )
全然投稿してなかった……お待たせしてすんません……。
ペンダントの中身はトレインの家族写真。
クルーウェルは仔犬の事他の生徒と同じく狙っているがトレインは娘(養子)にしたいと思っている。トレインの優雨に対するLoveは家族愛みたいなもん。クルーウェルのはモノホンのLove
ツイステキャラの優雨に対する感情は全てLove。執着心や独占欲等ドロドロとした感情を大なり小なり持っている。因みにいつメンことエース、デュース、ジャック、エペル、セベクは人一倍ドロドロとした感情を持っている
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