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沢田と鈴は、静かな午後の時間をお絵描きに費やしていた。二人は並んで座り、それぞれのスケッチブックに集中していたが、鈴はふと沢田の様子をちらりと見た。彼は相変わらず厨二病的なポーズを取っていたが、その目は真剣で、どこか楽しそうでもあった。
「ねぇ、沢田、今度はどんな絵を描いてるの?」
鈴が軽く尋ねると、沢田は一瞬、まるで深い思索にふけるかのような表情を浮かべた。
「ふっ…我が描くは、闇の中で戦う英雄だ…全身を覆う鎧、漆黒の剣…」
と、またしても厨二病全開のセリフを言いながら、手元のスケッチを進める。その真剣な顔に、鈴は少し笑いをこらえながら言った。
「あんまり無理して、かっこよくしようとしないで。あなたらしい絵を描いてみたら?」
沢田は驚いた顔をした後、少し照れたように笑った。
「そ、そんなことない!俺は…まぁ、確かにちょっとカッコよすぎるかなって思ったけど、でもこれが俺のスタイルだからな!」
鈴はその言葉に微笑んで、
「わかった。でも、もう少しリラックスして描いてみたら?」
と言った。その言葉に従って、沢田は少し息を吐きながらペンを動かし始めた。
鈴は彼が描く絵に、自分の絵を合わせるように軽く指を動かしながら、
「私も今日は、ちょっと違う感じの絵を描いてみようかな」
と言って、風景画を描き始めた。緑の草原と澄んだ空、そして小さな家の絵。鈴の絵は優しくて、彼女の心の中にある温かさが表れていた。
その中で、沢田はちらりと彼女の絵を見て、
「鈴、やっぱり上手いな…」
と少し感心したように呟いた。
「ありがとう。でも沢田も、繊細なのにいつも絵の中に何か強さを感じるよ。あなたが描くキャラクターには、どこか揺るがない力強さがあるんだよね。」
鈴が穏やかに言うと、沢田は少し照れくさそうに笑い、
「それは…まぁ、闇の力を感じ取ったからだろうな」
と冗談を言いながら、改めてペンを走らせる。
二人の間には、言葉では表現できないような心地よい空気が流れていた。お互いに描きながら、お互いの絵を見て、時折笑い合ったり、軽くアドバイスをし合ったり。それが二人の特別な時間であり、鈴と過ごすその時間が、沢田にとって何よりも大切なひとときであることを、心の中で感じていた。
「お。何をしているんだ?素晴らしい美しさの絵だな。この僕にも教えてもらっていいかな。
美しいものは全て作れるように、なりたいからね。この趣味も素晴らしく美しいじゃないか…!」
「わ。先輩達の絵、凄く綺麗ですね…!僕も混ぜてくださいー!!アイドルならこの繊細さでセンターで先陣を切れてる程の綺麗な絵ですね!」
麗と久しぶりの登場の蘭は、楽しそうに沢田に話しかける。
「わ、我の絵…そんなに綺麗か…?そ、それなら我の力を解放し、そなた達に分け与えても良いぞ…」
その後皆で絵を書いたりして沢田の友達は増えていったのだった。