TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

放課後の教室。鈴と沢田は、並んでスケッチブックを広げていた。
「ふっ……我が封印せし筆の力を、今こそ解き放つ時……!」


沢田がドヤ顔でペンを握る。鈴は横でさらさらと絵を描きながら、「はいはい」と適当に流した。


「まずは線画から――」


沢田がペンを走らせた瞬間。


バシャッ!!


「……あっ」


鈴の目の前で、黒インクのボトルが倒れ、沢田の手元に漆黒の池が広がった。気まずい空気が流れる。


「……」


「……ふっ」沢田は髪をかき上げながら、余裕の笑みを浮かべる。


「闇の力が、我が手をも侵食し始めたか……」


「ただのインクこぼしただけよね。」


鈴が冷静に突っ込むも、沢田は一切気にせず、腕を組んでうんうんと頷く。


「いや、これは試練だな……!」


「いや、ただの不注意よ?」


「くっ……!」

沢田は拳を握りしめ、決意を込めた顔でティッシュを掴んだ。

「ならば我がこの手で乗り越えてみせよう!」


そして、勢いよく拭き取る。


「……あ、やば」


焦ったせいで、インクがさらに広がった。スケッチブックは無惨な姿に。


鈴は静かにスケッチブックを閉じた。


「帰るね」


「待て待て待て! これは違う! これは、闇の波動が――」


「はいはい、おつかれ」


バタン、と教室のドアが閉まる音が響く。


沢田は一人、夕陽に照らされながら、インクまみれの手を見つめて呟いた。


「……俺って、そんなに残念か?」


だが次の瞬間、彼はキッと顔を上げる。


「いや、これは新たな力の目覚め……!」


誰もいない教室で、中二病全開のポーズを決める沢田だった

ゲームのヒロインに転生したが攻略対象が残念なイケメンしかいません

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

16

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚