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第三話。
どぞ!
Na視点
しゃけから病気であることを伝えられてから、
必死に治療法を探した。
毎日のようにしゃけと図書館に通い、病名を探った。
そんなある日のこと、
Na「!!しゃけ!これは?」
そう言って、しゃけに一冊の本を見せる
Sha「分かんねぇ…読んでみたら?」
Na「うん…」
パラパラパラ……
めくっていくと、何やら病名がまとめられたページが目に入る
『透明病:全身が透明化し、誰にも気づかれなくなる。
主に苦しみや悲しみの感情が強く出たときに発症する。
感染源、治療法は解明されておらず、患者の殆どが
自分が他の人の目に映らなくなったと悲しみ、
自ら症状を酷くしてしまうケースが後を絶たない。』
『花吐き病:片思いを拗らせると、
口から花を吐き出すようになってしまう。
吐き出された花に触れると感染する。
花を吐き出す以外の症状はないが、寿命が短くなる。
恋が実り両想いになると完治する。』
『星涙病:片想いしていると起こり、
両想いになると完治する。
涙が星となってしまい、星涙が落ちると
ポロポロ,コロン、などの音がする。
症状が重いと視覚にも影響が出始め、
色彩を感じ取れなくなる。
星涙には様々な色があり、流れるとほのかに光る。』
『天使病:身体から翼が生え、
生命力を奪いつつ成長していく。
翼が大きく美しくなればなるほどその人は弱っていってしまい、様々な感情や感覚が失われる。』
Sha「違う………か?」
Na「あ、」
ノイズ、という単語が見えた気がして、
ページに張り付くように読む。
『バグ病:身体中からノイズ音が聞こえ、バグる。
ゲームキャラや電子機器をよく使う人がかかりやすい。
末期の前兆で、身体に触れるとパーツのようなものが
落ちることがある。
末期になると話すことができなくなったり、
やがて消えてしまったり奇形になったりする。』
Sha「…………これじゃね?」
Na「これだよね」
Sha「治療法は………?」
そう問われ、また本に目を落とし、探す。
『治療法は、ない。』
Na「え、」
ないって……どういうこと?
死ぬしかないってこと?
嫌だ…嫌だ嫌だ嫌だ!!!
俺は、死んでしまいたいけど、
しゃけには死んでほしくないんだ。
我儘だから。
Sha「なかむ…?どうした?」
しゃけに声を掛けられ、我に返る
Na「ううん。ただ……」
Sha「ただ?」
もう、言ってしまおうか
どうせ結果は同じだ
Na「……治療法は、ないんだ」
Sha「ッえ………」
しゃけが、絶望とも諦めとも取れる表情になる。
あぁ、こんな顔を見るくらいだったら……
言わなければ、良かった
隠し通せば、良かった
また、間違えた
Na「…ごめんね………ッ」
なんとも言えない空気が流れ、俺は謝ることしかできなかった。
Sha「なかむは、何も悪くない…わるくない、よ…」カタカタ
そう言ったしゃけの肩は震えていた。
本当に、なんて馬鹿なんだろう……
いい加減、死んでしまいたいな……
やっと太陽が見えそうだったのに……
ああ
また雨雲に隠されてしまった