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#小6
エイムねこ@_Cat🍅💚
25,935
〈緑色視点〉
日が上り。使用人たちがバタバタと動き始める朝方。
バックに本や時計を詰め込んで支度をする。
初めての友達のために色々教えたい物や、ちょっとしたプレゼントもしたいと思う。
花畑で出会ったちょっと変わった友達
俺は魔法使いだから直感的に人間じゃないのが分かったけど並の人間なら分からないだろうな
外に出る支度をしてると後ろから使用人が声を掛けてくる。
「御坊ちゃま?何処か出掛けるのですか?」
緑色「ン」
スケッチブックに文字を書いて伝える。
これは親から貰ったものだ
貰った時は俺が話す可能性を潰されたような悲しい気分だった。
「お友達ですか。朝ご飯はいかがいたしましょう」
緑色「ウウン」
「承知致しました。夕暮れまでには帰ってきて下さいね。」
…昨日もこの話をした。
外へ出る最低限の会話。皆んな俺が話さないって思ってるから最低限のことしか話してくれない。
本のほうがずっと読んでて楽しい
…昨日の花畑に彼は居なかった。
呆れられたとも考えられた。だが、眠っている、道に迷った。幾らでも遅れる理由は考えられる。
いや、呆れられたと思いたくなかった。
ふと森に目をやる。
この先は昔から悪いモノがいるとされ家族や使用人からみな口を揃えて「行くな」と言われているこの辺では禁域とされている森だ
だが記憶が正しければらだおくんはこの森の方向から歩いてきたはずだ。
きっとこの先にいる。
そう信じて初めて掟を破った。
鬱蒼とした森を歩くと見たことのない鳥や案外食べられる木の実などを見つけることができた。
彼はこれを食べて今まで過ごしてきたかもしれない。
そう思うとらだおくんの過去を追体験しているようで気分が踊る。
誰も人が入ったことのない場所では誰かの歩いた跡が獣道となる。
獣道を辿ればらだおくんに辿り着けると思い倒れた木を乗り越え、道中の面白かった事をメモする。早く会って伝えたい。
獣道を辿ってみると白くて古い館があった。
誰かが住んでいるとは思えないそこの扉は半開きになっていた。
彼がいると思い、扉を開ける。
緑色「ラダオクン……」
…彼は獣を貪っていた。
そのことに気がついた頃には彼はこちらを認識していて息のつく間に飛びついてきた。
視認することができなかった。
できていても防御にまわることはしなかっただろう。
彼に殺されるなら良い。むしろ最期はらだおくんが良かった。
そのときのらだおくんの顔は面白いモノがあった。自分の欲に従っているのに何処か悲しげで、心と身体が付いてこないような
意識が遠くなる。
らだおくんは人を食べることでその形を維持するそうだ。役に立てたならよかった。
出来ることならもっと早く出会いたかった素敵な人。
次も貴方の元へ
〈らっだぁ視点〉
「…みどり…?」
はっとして目の前の惨状をみる。
色が戻って来たように今までの自分の行動が頭をめぐる
俺が殺した。
…だからなんだ。ただの人間だし、数時間話しただけだ。
何もない。いつも通り。1が2になっても変わらない。
それなのになんだこの感情は。今までこんな事なかった。
みどりは俺を否定しなくて、贈り物をくれて初めて明日の話をした。
どれもこれもちっぽけな事なのに失ったものは余りにも大き過ぎるものだった。
「みどり…?」
かけらを寄せ集める
何にもならないのに。
ふと、視界の端を見る。彼のバックだ。
中を開けば小さなメモ帳に柔らかい筆記で「話したいこと」というメモ書きがあった。
中身は俺が知らないであろう魔法の話から今朝見た鳥のことまで幅広く書いてあった。
メモ帳の裏には「みどりいろ」なんてご丁寧に文字が書いてあった。
その隣には小さな箱が破けており。
中身からきらきらと輝く羽のようなものがあった。
全部全部俺のために、一人の友達のために用意した物だというのが分かる。
瞬間、目の前の色彩が抜けていくような、強烈な脱力感に襲われた。
何も帰ってこない。
…しばらくの間俺はその場から動けなかった。
次に動いたのは日は暮れ、空が夕暮れ色に染まった時刻のこと。
「ラダオクン」
間違えるはずのないその声に顔をあげ、辺りを見渡した。
確かに、そこにいた。
コメント
1件
うわあ…これは重いなあ。緑色が自ら進んでらっだぁに食べられるのを「役に立てたならよかった」って思ってるところがもう切なすぎる。友達のためにいろいろ用意してたのに、全部無駄になった感じが辛い。そしてらっだぁが正気に戻って「だからなんだ」って自分に言い聞かせてるのに、最後に「みどり…?」って呼びかけるところ、震えたわ。新しい友達を自分で壊した後悔がすごく伝わってきた。続き気になる🔥