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「おはよう。尚。」
「お、おはよう…笑。」
episode22
いつもと同じように尚と待ち合わせしているが、尚の様子がいつもと違った。
なんか、顔色悪いし…。
「えっと…何かあった?」
「え?」
「いや、さっきから喋らないし…。あ、そういえば昨日はありがとう。…まさか、そのことで気分が悪くなった?」
「全然!何ならいつもと違うかな、僕?」
…表面上では笑顔だけれど、何だか無理している感じがする。
「…あの後、尚と宵田くんいなかったけど、何かあったの?」
すると、尚の体はビクリと震えた。
「な、なにもないよ。僕も急に忘れ物思い出しちゃって…」
いや、絶対なんかあるだろ。
「…あのさ、」
「うん?」
「俺のこと、友達だと思ってるなら、話してほしいんだ。尚は嘘が下手だからね。」
「ほ、本当に何もないよ!!…僕、委員会があるから先行くね…!」
尚は慌てて先を行ってしまった。
絶対何か隠してる…。
「笑!次移動だよ!」
休み時間、尚はいつも通りに話しかけてきた。なんか、安心したような、モヤモヤするような…。
「うん。理科だっけ。」
「うん!」
「あのさ、昨日のー…」
「そういえば、今日理科の小テストだよね!全然勉強してないよ〜…あはは…」
尚は俺の言葉を遮り、わざと大きい声を出した。
そんなに触れてほしくないのか…?
「…俺も全然勉強してない。」
「ね!終わった〜…」
…なんだろ、この気持ち…。
「尚ー…そろそろ、昨日のことー…」
「笑!今日の給食何かな…?!お腹空いたね〜」
「尚!なんで何もー…」
「そんなことより、いつお泊まり会する?」
「尚!いい加減にー…」
「夏休みもうすぐだね〜…!」
「尚!昨日ー…!!」
「明日晴れるかな〜…」
「いい加減に教えろ!!!」
クラス中に俺の声が響いた。
でも、流石にちょっとイラッと来た。何で全然教えてくれないんだよ。何で自分は力になりたいとか言ってたくせに、俺はだめなんだよ?俺たち、友達だろ?
尚は少し、躊躇って
「空き教室に来てよ」
そう呟いた。
なんとか宵田くんにバレずに空き教室に来たものの、尚は少し不安そうだった。
「…で?何を俺に隠してるの?」
「…隠してるっていうか…」
「まさか、宵田くんに脅されて喋れないとか?」
「そうじゃなくてー…」
「だったらー…!」
「…宵田くんはー…」
ショウにゃんの制作者なんだ…。
「…え…?」
あの超人気ネット活動者のショウを作った人?まだ小学生なのに…?
「どういう事…?」
「…正確に言うと、そのお兄さんが作ったんだけど…元々の原案は宵田くんらしいんだ…。」
「それを、何で尚が知ってるの?」
「…昨日ねー…、」
✾✾✾✾✾✾
校舎裏へと引っ張られ、そこにいたのは宵田くんだった。
「宵田くん?どうしたの?」
彼の後ろ姿は、何処か怪しくて、不気味だった。
「尚に、話したいことがある。」
「え?」
「…俺は、ネット活動者、ショウの原案者だ。」
「…は?」
どういう事?この子が?何で?
「…制作は兄がやっている。でも、それが重要なんじゃなくってー…。」
✿✿✿✿✿✿
「笑、君も一緒に作った。って。」
「は?」
俺が?意味分かんねー…。てか、俺なんなら被害者なんだけど?
「困惑するのは分かってる。僕も最初はびっくりしたし…。でもさ、笑、3年前、宵田くんと会ってない?しかも女性だったとか…!」
「お、覚えてないよ…。全然、分からない…!のに、何故か覚えてる気がする…。彼と隣の席で…、沢山話して…」
それからー…何だ?全然思い出せない…。
ずっと、ずっと仲良かった気がする…。話してて…それからー…。
「笑…?大丈夫?頭抑えてるけど…?!」
待って、尚。もう少しで思い出せるとこで…