テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
あの日から数日後、私はまた異常な量の仕事をこなしてた。
ほんとに疲労がたまり続ける日々である。
「はぁ~….」
思わずため息が漏れる。
上司も同僚も、みな私に仕事を押し付ける。
こんな腐った職場とは一刻も早くおさらばしたい。
そのために転職活動もしているが、中々上手くいかない。
「あ、朱里さん。その仕事手伝いましょうか?」
いきなり話しかけられ驚きつつも、声がしたほうを向く。
そこには、社内で一番のイケメンであり後輩の光輝くんがいた。
「あ、光輝くん!じゃあこの仕事手伝ってくれない?」
そして私は異常な量の仕事の一部を渡す。
「それやって終わったら私のデスクに置いといて」
「わかりました、やってきますね」
快諾してくれて少し嬉しく感じた。
そうしてなんとか23時には会社を出れた。
しかし同僚と上司は腐ってると感じ、同時に光輝くんが神のように見えた。
「…..あ、あった」
見つけた。
昨日のバーを。
「….行こ」
そう呟き、私は店の扉を開けた。
「いらっしゃいませ、今宵もお待ちしておりました」
そんな透き通るような声が聞こえたと同時に、別の声も聞こえた。
「あれ、朱里さんも来たんだ?」
「え、光輝くん!?」
思わず落ち着いたバーには合わない少し大きな声が出てしまった。
そして私は一拍を置いて途轍もない羞恥心に襲われる。
「あぁ、お知り合いだったのですね。ご注文はお決まりですか?」
「あ、じゃぁ….」
「取り敢えず朱里さん、お隣どうぞ」
「え、あ、じゃあ失礼します」
羞恥心を堪えつつ、私は光輝くんの隣に座る。
「えーと、注文は…今日は酸味が強いカクテルが飲みたいです」
「かしこまりました。ではデービスをお作り致しますね」
「あ、わかりました」
「朱里さんはここにきたことあるんですか?」
突然光輝くんに話を振られて一瞬思考が止まる。
「あ、ええと、うん、今回が二回目。光輝くんは何飲んでるの?」
私は光輝くんのカクテルグラスに注がれてる美しい海水色の液体を見ながら問いかける。
「あ、これはブルームーンです。僕が好きなカクテルで」
「なるほど、バーとかよく行くの?」
素朴な疑問だったので、そう聞いてみた。
「そんな高頻度には行かないですが、バーの雰囲気やカクテルは好きですよ」
「そっか」
と、雑談に花を咲かせてると。
「お待たせ致しました、デービスです。」
と、私の前に淡い朱色の液体が注がれたカクテルグラスが置かれた。
「あ、ありがとうございます。えーと…あなたの名前を昨日聞きそびれてしまって」
と、私がバーテンダーさんに伝えると。
「あぁ、バーの名前も私の名前も夢と申します。」
と、バーテンダーさん、もとい夢さんが名刺を渡してきた。
「ありがとうございます、私は上星朱里です」
と、軽く自己紹介をしておく。
「あぁ、今日は朱里さんに相談したいことがあるんですよ」
「え?いいけど」
「まぁ相談というと、やや違いますが…どっちみち今日は帰しませんよ」
そう言われて少し身構える。
「え?なんで?」
そう聞き返すと、衝撃的な答えが返ってきた。
モノクロうさぎ

「今日が好機と思いまして。口説かせていただきますよ」
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!