佐伯の頬、耳、首筋へとキスを落としていく宇佐美。
降ってくるキスの雨が佐伯は恥ずかしくて、くすぐったい。
ベットの上に座って正面から抱きしめるようにして背中に手をまわす。
緩く緩く掴んでいたはずの彼のバスローブを気がつけばしっかり握っていた。
「触っていい?」
「へっ…う、うん」
腰を撫でるようにして下腹部、さらにその下へと彼の大きな手が動く。バスローブの上から下へと手が潜り込んでくる。
彼が直にモノを触り始めて、顔を背けた。彼の指が自分のどこを触っているとか見て居られなくて。
ただ、感覚でどんな風に触っているのか分かってしまう。緩く扱くような動きから段々スピードが増していくのが分かる。
「っは、っん」
思わず漏れた声に口を押さえる。
揺らぐ視線の先、いたずらっぽく目を細める彼と目が合う。
「かわいい」
「う、うるさいッ」
睨みつけてみたもののあまり効果は無さそうだった。
それどころか先の方や裏筋を強く触ったりして更に刺激をしてきた。
ゾワゾワとのぼってくる快感から逃れようと身を捩る。
「だ、だめっ…もう……ッ」
「イっとこ?」
「ッ〜〜!!」
顔を覆いながら欲を吐き出す。自分でする時より早い気がする。
自分しか知らないことだけれど自覚してしまえば羞恥心にかられてもう駄目だった。
「っわ」
「ごめん、寝かすだけだから」
体をホールドされたかと思えばゆっくり倒され、横になる。指の隙間から見れば覆いかぶさるような体制で彼がいた。
「平気?」
「うん」
「顔見たい」
「……ちょっとそれは」
そっかあ、とちょっと寂しそうに彼は言った。少し罪悪感が湧いたが、それでも羞恥の方が勝つ。心の中でごめんねと言った。
「後ろ触るよ。痛かったら言ってね」
侵入してきた指に異物感を感じて思わず顔をしかめる。今の顔は彼に見られなくてよかったとほんの少し安堵する。
だが、それも束の間。浅い場所で行き来する感覚が異様で妙で。
「う゛ぅ」
「痛い?」
「痛くないけど、なんか、ちょっと…」
「強張ってんのかな。力抜いてみて、こっちもゆっくりやってみるから」
そう言われて深呼吸して、できるだけ脱力、という風に意識してみると楽になった。
彼は時間をかけてゆっくりと深い場所へと進めてきた。慎重にやってくれたお陰か、最初の時以外あまり苦しさは感じなかった。
そのことに安心していたその時。
「っああ…!」
ビクリと体が跳ねた。彼は一瞬動きを止めて、もう一度同じ場所を掠めるようにして何度も触った。
「ここ気持ちいいんだ」
「っはぁ、あっ、んんっ」
目の前でパチパチと火花が散る。自分のものとは思えないくらい甘い声にギュッと手で蓋をする。
感じたことのない快感が体を突き抜けていった。
コメント
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こりゃあ傑作だ
続きが読みたいです……!