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それから数年が経ち、少女にも少しずつ変化が訪れた。幼かった容姿は次第に大人びていき、身長も伸びて女性らしい体つきになる。髪の長さも同じぐらいまで伸びた。彼女の表情も次第に明るくなっていき、笑顔を見せる機会も多くなった。
彼女はもう一人ではないのだ。
そんなある日のこと、彼女がいつものように本を読んでいた時のことだった。ふとあることに気づいた彼女だったが、その時にはすでに遅く、事態はすでに取り返しのつかないところまで進んでいたようだ。
突然の出来事だった。
気がついた時にはすでに遅かった。
彼女の身体はみるみると若返っていった。まるで何かに取り憑かれたかのように。
しかし彼女がそれを知る由もなかった。なぜなら彼女はすでに死んでいるからだ。
「あー、また死んだわ」
「今度こそいけるかと思ったんだけどね〜」
そう言って彼女――白木愛理沙は再びパソコンの前に座ると、ゲームを再開した。
俺はその様子を後ろから見て苦笑を浮かべる。
こいつは一体いつになったら学習するんだろう。もうかれこれ一ヶ月以上はこうして毎日のようにオンラインゲームをしているっていうのに一向に上達する様子がない。
俺としては楽しそうだから別に止めろとも言わないが、そろそろ勉強の方にも身を入れて欲しいところではあった。成績が良い悪いの問題ではなくて、進路的な意味で。
今の成績では、志望校へ合格するのは厳しい。だからと言って、親父が許してくれるとは思えない。それに何より、こいつがこのままでいいと思っていないことくらいはわかっていた。
「お前さぁ、もうちょっとまじめになれよ」
「なんの話?」
「受験だよ」
「ああ」
「ああって、まさかお前……」