_✕週間後_
「廉真様…お客様がお見えになっています。」
「わかりました、すぐ行くので客間にお通ししてください。あと、お茶と菓子もお出ししてください。」
「承知しました。」
俺に客なんて…何年ぶりだろう。
実家では定期的に凪が遊びに来てたから…
_そろそろ行かなければ、
「_失礼しま_…!凪っ…?」
「この声…廉真、やっと会えた…」
「な、凪…凪っ…まだっ…耳聞こえ、て、っ」
「今はまだ聞こえてるんだ。…聞こえなくなる前に廉真の声聞きたくて…。」
あぁ…凪…ずっと…会いたかった…
もう…離れないで…
ーーーー
「お母様、少しの間外出して参ります。」
「…!凪、それなら私もついて行きます。」
「『廉真』に会いに行きたいのです。ですが今住んでいる家がわからないのです。連れて行っていただけますか?」
「ええ、帰ってきてくれた大事な息子のお願いですもの。準備が出来次第行きましょうか。」
「ありがとうございます。お母様。」
これで…廉真の声が聞ける。
姿は見れなくても僕の中の廉真が笑いかけてくれる。
声を聞けるだけでも…
_幸せになれるはずなんだ。
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