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「ねぇ玲王、玲王ってさどんな子が好きなの?」
放課後に机で突っ伏している俺を迎えに来た玲王にそんなことを聞いてみた。
玲王は突っ伏した体勢のままそちらに視線を向けている俺にきょとんとした顔を見せるが、すぐににかっとしたいつもの笑みに戻る。
「んだよ急に、タイプってことか?うーん….」
玲王はどんな子がタイプなんだろう。そんなことを考えながらもし…自分に当てはまるようなものだったら、なんて期待する心を必死に玲王に隠しながら返答を持つ。そうこの俺、凪誠士郎はこの男、御影玲王が好きなのだ。勿論恋愛的な意味で。
返答を考えた玲王がこちらに再度向き直しその返答を口に出す。
「萬田久子みたいな大人の女性だな!___」
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ごろん、ごーろ…ごーろ….
自室のベットの上でそうマイペースに体を転ばせる、思考は止まっていていつも家に入れば触っているスマートフォンも触る気は失せている。
『萬田久子のみたいな大人の女性だな!』
その言葉を聞いたあとから気づいたらベットにダイブしてた、ということは多分その言葉の後はずっと放心状態で帰宅していたのだろう。
((最悪….俺変なこと口走ってなかったよね?覚えてねー…..それに玲王の顔見る時間大幅に減っちゃたし。馬鹿じゃん、俺))
まぁ…そんなこと言ったってどうしようもないことは分かっている。
ならどうするか、タイプが自分に当てはまっていないからって諦めるのか?
((それは絶対いや….))
それじゃ選択はひとつしか無い。
「俺がレオの好みになるしかないよね。」