「はいと言っておしまいなさい」
しびれを切らした華さんから、返事を急かされて、
「は、はい…」と、押し切られるように応えた。
「ではお部屋の方は、ゲストルームがありますから、そちらへ。なるべく早いうちに越して来られるよう」
肯定はしたものの、突然の同居で上手くやっていけるのかなという不安感も少なからず込み上げていて、どんどん進んでいく展開に頭が付いていけていないところもあった。
「華さんは言い出したら引かないからな……」
──と、蓮水さんがぼそりと口にして、
「君さえ嫌じゃなければ、試しにとも思って住んでみないか。私も、君と住めれば嬉しいから」
そう先を続けた──。
途端に、さっきまでの戸惑いもどこへやらといった感じで、気持ちがいっぺんに舞い上がる。
「はい、蓮水さんがそう言うなら、アパートの整理が出来次第にでも!」
一緒に住めることが急に楽しみでたまらなくなって、彼の一言でこんなにも意識が変わるだなんて、我ながら単純だなとも感じる。
「すまないな、無理を言って」
「いえ、無理だなんてことは! 私も一緒に住めるのは嬉しいですから……」
はにかみ笑いを浮かべて、そう口にすると、
「そうか、よかったよ」
蓮水さんが緩やかに口角を引き上げて、優しげな笑みを返した。
コメント
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これから先が楽しみ🎵どんな感じになるのかな😊