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【ゲーム説明】1.このゲームはカップル対抗戦です。

2.これから一時間毎に、一組ずつカップルを指名します。呼び出された二人は教室の前方に立ち、死の指輪を互いに外してもらいます。

3.呼ばれなかった皆さんには立会人になってもらい、教室の後方で着席してください。指定されたカップルの、行く末を見守っていただきます。

4.無事に死の指輪を外せたらカップルは永遠の愛で繋がり、二人は校舎から出られます。



「それだけ?」

先程の緊迫した空気はいつしかなくなり、あっけらかんとした声が響き渡る。

「ドッキリじゃない? ほら今やってる、学校何とかって番組とか?」

「ありそう! ガチだったんだよ!」

先程騒いでいた西条寺さんに話しかけるのは、同じクラスの女子二人。いつもこの三人は、一緒に居た。

緩すぎるルールに、安堵に包まれる教室。しかしそれは、切り替わった映像によりまた張り詰めることになった。



【特記事項】

1.指定した時間以外、指定したカップル以外が相手の指輪を抜くと、ルール違反により指輪が爆発します。指輪を抜けるのは、主催者の指定があった時のみ。くれぐれも、お忘れなく。

2.カップルの指定順は、主催者の独断と偏見で選出しております。苦情は一切受け入れておりませんので、悪しからず。

3.立会人の皆さんの中で、このカップルは永遠の愛で繋がるべきではないと思われる方がいれば、その理由を主催者に告げてください。その内容が受理された際はそれは暴露となり、お相手に伝えさせていただきます。


【密告のやり方】

1.情報提供は専用アプリのみで受け付けています。ただ情報だけでは信憑性に欠ける為、必ず証拠も送付してください。

2.一組のカップルに対して情報提供が出来るのは、一回のみです。カップルの指定は、直前の発表とさせていただいております。ですから情報提供は、カップルの順番を予想して行いましょう。

3.情報提供者は匿名です。ですから皆さん、気に入らないカップルの秘密を告げ口してください。



「暴露って、何だよ!」

「私達が、友達カップルの告げ口をするってこと!」

「マジでクソみたいなルールだな!」

一部の生徒が立ち上がり、罵詈雑言を言い放つ。

皆、暴露の方に気が入っているようだけど、もっと問題なことがあるだろう?

「違反事項はまだあるの……」

握り締めていた小春の手が、ガタガタと震え上がる。

そうだ。指輪の爆発する条件が全て提示されていない方が、問題だ。下手な行動は取れない。そうゆう意味なのか?


『まあまあ皆さん。暴露しなければ良い話ではないですか? それとも何か、暴露されては困る秘密でもあるのですか?』

その問いかけに声を荒らげていた生徒達は口を噤み、そっと着席した。

暴露されたくない秘密。……俺にも、心当たりがあった。



全ての説明が終わるが、生徒全てが静止画のように固まってしまった。【指輪が爆発するルール違反】が怖くて、身動きも発言も何も出来なくなった。


『残り二つは、「指輪を外す時に関係すること」です。ですから校舎外に出ず、指輪を外さなければ問題ありません。だから動いてくださいよ? 静止画じゃないんですから?』

その言葉に一応安心した俺達は、体を動かす。確かにそんなことでいちいち爆発していたら、主催者が求めているゲームなんて出来ないだろう。


「皆さん、くだらない争いで指輪を爆発させることだけはやめてくださいね。爆発落ちなんて視聴者が萎えてしまうでしょう』

「視聴者……?」

思わず、その言葉を復唱してしまった。

『あ、いえ。ところで、一回目のカップルが気になりませんか? 予想もつくでしょうし、初回だけ発表しましょう! 先手を飾るのはあの有名なカップルミーチューバ、|神宮寺《じんぐうじ》 |翼《つばさ》くんと|西条寺《にしじょうてら》|愛莉《あいり》さんです! では皆さん、一時間後にお会いしましょう。アプリをしっかり活用してくださいね?』

プツンと映像が消えたかと思えば、いつもの待機画面に戻っていた。

前方に集まって座っていた生徒達は相手を探るような面持ちをしていたが、後方に居る俺達はただ身震いを起こしていた。


「大丈夫?」

小春に声をかけてきたのは、大林凛。制服を緩く着こなし、ベリーショートと呼ばれる黒髪が似合う、陸上部女子だ。身長は百六十五センチの俺と目線が丁度合うぐらいであり、キリッとした目に、整った鼻筋、艶のある唇。女子のことに疎い俺でも、顔立ちが綺麗だということが分かる。明るくて、ハッキリとした性格で、曲がったことが嫌い。正義感溢れる彼女は、俺の理想だ。


「廊下で話そう」

陰湿な空気に、より気分が悪くなりそうになった俺達四人は教室を後にした。

カップルデスゲーム ─ その愛は本物ですか ─

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