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このやろー…… さっきまでギャグ見て大爆笑してたのにこれ見て急に泣き出したせいで 親に心配されたじゃねぇか (訳:大変素晴らしく、感動する物語でしたできればハッピーエンドも作っていただけると幸いです)
ちょっと悪役のイタちゃんが見たかっただけです……(全力のスライディング土下座)
ー注意ーー
マカロニ兄弟で2424してたら出来た煩悩の副産物
設定意味不明
めっちゃ自己満=へたくそ
口調迷子
おま誰状態
書きたかったところだけ書いてる
ーーーーー
それでも良い方だけどうぞ
「はぁッ…くっそ魔王め……今日こそ…決着をつけてやるぞ、このやろーッ……」
一体、どれだけ歩いただろうか…
足が痛い、少しばかりここも酸素が薄い気がする。
苦しい、辛い、帰りたい……
しかし、世界のためにと
自分を鼓舞し、城へと進んだ。
ーーー
城の中はもちろんモンスターでいっぱいだった。
倒しても倒してもキリがない…
「……っはぁ、はぁ……ちくしょー……どんだけ出てくんだよ、モンスター共……!」
ロヴィーノは肩で息をしながら、最後の魔物を斬り伏せた。
剣先から滴った黒い血が床の赤い絨毯に落ちる。
体中が悲鳴を上げてるのに……進まない理由なんて、もうひとつもねぇ。
(行くしかねぇだろ……俺が、勇者なんだから……!)
何度も崩れそうになる足を叱りつけながら、
重くきしむ扉へと手を伸ばした。
「開け……ッ!」
ギィィ、と古びた城門がゆっくりと動き出す。
中から吹きつける冷たい風に、ロヴィーノは思わず目を細めた。
――そうして、一歩。
赤黒い玉座の間に足を踏み入れた、その瞬間だった。
高い天井。燭台の揺れる灯。
そして……玉座に座る、ひとりの男。
ゆっくりと顔を上げたその“魔王”は、じっとロヴィーノを見ていた。
柔らかい表情。優しげな瞳。
だけどどこか底知れない気配が滲む、奇妙なふわふわとした雰囲気。
それでも…ロヴィーノは目を疑った。
「……っ、は……?」
心臓が、跳ねた。
昔の記憶が一気に胸を締め上げる。
まさか……そんなわけ、あるかよ……。
でも……でも……。
玉座の男は、ゆっくり微笑んだ。
「……ぁ、ロヴィーノ。来てくれたんだね」
その声は――
幼いころ、毎朝のように耳にしていた、あの声のままだった。
「……フェ…リ……?」
ロヴィーノの手から、剣が滑り落ちる。
ガラン、と虚しく音が響いた。
魔王は立ち上がると、まっすぐにロヴィーノへと歩み寄り――
ほんの少しだけ首をかしげて、懐かしむように笑った。
「うん。俺だよ。ロヴィーノの……弟」
あの夜に消えたはずの弟。
二度と会えないと思った存在。
目の前にいるのは――
倒すべき魔王であり、
ロヴィーノが探し続けた、あの日のフェリシアーノだった。
「……フェリ……シアーノ、なのかよ……」
ロヴィーノの声は震えていた。
戦いの疲れじゃない。
胸の奥をぐしゃっと掴まれたみたいな、どうしようもない感情が溢れ出してくる。
会いたかった。
探してた。
でも――こんな形で再会するなんて、望んでねぇよ。
フェリシアーノは、そんな兄の心の揺らぎを見透かしたように、穏やかな笑みを浮かべた。
「うん。俺はここにいたんだよ、ずっと…あの日、連れてこられてから……ね」
優しい声で言うのに、その中にはどこか冷たく研ぎ澄まされた響きが混じっていた。
ロヴィーノは奥歯を噛みしめた。
「……っ、なんで、なんでだよ……なんで“魔王”なんかに……!」
懇願にも怒号にもなりきれない声。
ずっと探し続けた弟が、世界を脅かす存在になっているなんて受け入れられるわけがない。
フェリシアーノは、ほんの一瞬だけ――
迷う子どものような表情を見せた。
「……ねぇロヴィーノ。もし俺が、魔王になってしまった“理由”を言ったら……ロヴィーノは、どうする?」
「理由だぁ? そんなの――」
助けるに決まってる、と叫びたかった。
でも、その言葉が喉につかえて出てこない。
フェリシアーノは微笑んだまま、静かに指を鳴らした。
―――バチンッ。
空気が一瞬にして重くなる。
床の魔法陣が赤く光り、膨大な魔力が渦を巻き始めた。
「……ロヴィーノ。勇者なんでしょ?なら……俺を倒してみせてよ」
その瞳は優しいまま。
けれど、その奥底は底知れなく、ぞっとするほど静かだった。
「な……っ!」
「言ったよね?世界のために戦うって。じゃあ、お前の“正義”で……俺を裁いて?」
その瞬間――
ロヴィーノの胸の奥がキッと痛んだ。
ふざけんな。
そう言葉が零れた瞬間、彼の顔から迷いが吹き飛んだ。
「このやろー……!そんな顔で言ってんじゃねぇよ……!!」
ロヴィーノは剣を拾い上げ、構える。
弟を傷つけたくない。
でも、弟を壊した“何か”を許すわけにもいかねぇ。
フェリシアーノは腕を広げ、魔力の光をまとった。
「来てよ、勇者さん。……俺を倒せるなら、倒してみて?」
「ちくしょー……!!行くぞ、馬鹿弟!!」
ロヴィーノは一気に距離を詰め、剣を振り下ろした。
金属が空気を裂き、床石が火花を散らす。
「うおおおおッ!!」
フェリシアーノはひるむことなく手をかざした。
紫電のような魔力が奔り、ロヴィーノの剣にぶつかる。
――ガギィィンッ!!
衝撃が城の広間に響き渡り、石壁が震える。
魔力と剣気が拮抗し、床にひびが広がった。
「っ……強くなったね、ロヴィーノ!!」
「うるせぇ!!今さら兄貴扱いかよ、!!」
ロヴィーノは押し切るように剣を力任せに振り払う。
フェリシアーノは軽く跳躍し、魔法陣を踏みつけた。
瞬間――黒い球体が無数に生成され、ロヴィーノに襲いかかる。
「ちくしょっ……全部まとめて……ぶっ壊す!!」
ロヴィーノは前に出た。
逃げるのではなく、迎え撃つように。
剣を振るたび、黒球が爆散し、衝撃が風となって渦を巻く。
それでも数は尽きない。
フェリシアーノは静かに言う。
「もっと怒っていいよ。だって……俺を連れていけなかったのはロヴィーノなんだし」
ロヴィーノの足が一瞬止まった。
――脳裏に、幼い日の光景が弾ける。
ーーー
『にぃちゃ、見て!ちょうちょさんだよ!』
『はしゃぎすぎんなよばかおとーと!怪我すんぞ!』
笑いながら走る弟の姿。
必死で追いかける自分。
ーーー
その記憶の温度に、胸がぎゅっと締めつけられる。
「お前……まだあの日のこと、根に持ってんのかよ……?」
「根に持つ?ちがうよ…
あの日から――俺、ずっとお前の名前呼んでたのに、誰も来てくれなかっただけ」
フェリシアーノの瞳がかすかに震えた。
そのまま、魔力の波動が一気に強まる。
「ロヴィーノ、わからないの?俺は……置いていかれたんだよ」
「っ……!」
ロヴィーノの喉がひきつる。
怒鳴り返したい。
否定したい。
でも――その言葉の裏にある“孤独”が痛いほど感じ取れてしまう。
だからこそ、剣を握る手に力がこもる。
「ふざけんな……!勝手に消えたくせに……俺のせいにしてんじゃねぇ!!」
振り下ろす斬撃。
フェリシアーノは魔力の盾で受け止める。
――ガァァンッ!!
衝撃が爆風となってふたりを押し返した。
フェリシアーノは軽く息を吐いた。
「……ねぇロヴィーノ。覚えてる?」
ふっと、微笑む。
「小さい頃……お前が俺に作ってくれた、あのヘタな花冠」
またしても、ロヴィーノの思考が一瞬止まった。
――色あせた記憶がよみがえる。
ーーー
『ぅわ、折れちまった……ちくしょー』
『にぃちゃが作ったの、すごく綺麗だよ!ありがとう!』
フェリシアーノの無邪気な笑顔。
その笑顔を見て、胸の奥があたたかくなった幼い日の自分。
ーーー
現実に引き戻されたロヴィーノは、息を呑んだ。
「……なんで……そんなもん今言うんだよ……」
「だって……忘れてほしくなかったから、ね」
魔王としての冷酷な表情の奥、
ほんの少しだけ――昔のフェリシアーノがいた。
その一瞬が、逆に戦況を加速させる。
フェリシアーノの魔力が一気に爆ぜる。
「ロヴィーノ。俺ね…忘れられるのが、一番怖かったんだ」
「……フェリ……」
「だから――全部終わらせて。ロヴィーノの手で、俺を……!」
叫ぶような魔力放出。
黒い雷が地面を裂き、広間が震動する。
ロヴィーノは歯を食いしばり、前へ踏み込んだ。
「終わらせてやるよ……!!
このやろー、勝手に一人で抱え込んでんじゃねぇ!!」
ふたりの力がぶつかり合い、激しい閃光が交錯する。
剣と魔力が何度もぶつかり、
広間の空気は焦げたように熱を帯びていた。
その時――
フェリシアーノの肩がビクリと震えた。
「……ロヴィーノ」
低く、ひび割れたような声。
ロヴィーノの背筋に冷たいものが走った。
魔力の流れが――変わった。
「おい……フェリ……?」
フェリシアーノの足元に、黒い魔法陣が広がっていく。
これまでのものより、はるかに濃く、歪んだ形。
「ロヴィーノは……忘れてたんだね」
ふらり、と顔を上げたフェリシアーノの瞳は
もういつもの優しい色ではなかった。
闇がうねり、瞳孔が細く揺れている。
「俺が……あの夜……どれだけ叫んだか」
背後の空気が裂け、黒い触手のような魔力が立ち上った。
ロヴィーノは息を呑む。
「おい、使うな!! 身体が……!」
「どうでもいいよ」
すとん、と笑ったフェリシアーノの顔は
恐ろしいほど無表情だった。
「ロヴィーノ。お前が迎えに来てくれなかった分……
俺の中の“怖い”はね――ずっと、積み重なっていったんだよ」
魔力が爆発する。
空間そのものが軋み、崩れ落ちそうな圧に包まれた。
「フェリ、やめろ!!」
ロヴィーノは叫ぶ。
叫びながらも足がすくむほどの魔力。
フェリシアーノは動じずに言った。
「お前が忘れたから……俺も、何もかも壊していいよね?」
魔王の魔力が暴走し始める。
床石が砕け、黒い雷が城の天井を貫いた。
ロヴィーノは無我夢中で駆け出す。
「馬鹿野郎!!そんなもん……お前が望んだわけじゃねぇだろ!!」
「望んだよ。だって……ひとりで怖かったから」
その言葉は、泣き声よりも痛かった。
ロヴィーノは迷わず剣を捨て、
飛び込むようにフェリシアーノへ手を伸ばした。
「フェリッ!!!!」
怒号と共に抱きしめる。
暴れ狂う魔力がロヴィーノの背を撃ち抜く。
皮膚が焼けるような痛み。
視界が揺らぐ。
それでも腕を放さない。
「……っ、いた……ッ!」
フェリシアーノは驚いたように目を見開いた。
「なんで来るの……!?触ったら……ロヴィーノだって……!」
「痛ぇよ!!けど……お前を一人にした方が…もっと痛ぇんだよ…このやろー!!」
暴走する魔力に耐えながら、
ロヴィーノは必死で言葉を絞る。
「怖かったなら言えよ!!俺が…何回でも聞いてやる!!寄りかかれよ、弟なんだから……!!」
フェリシアーノの身体がびくりと震えた。
魔力の奔流が一瞬だけ弱まる。
「ロヴィ…?」
「フェリ……頼む…!もう……ひとりで抱えんな……!」
フェリシアーノは震える声で言った。
「俺……ずっと…迎えに来てほしかった……」
魔力がぐらりと揺れ、広間に漂っていた黒い渦が薄れていく。
「ロヴィ……おれ……さみしかった……」
その瞬間、
暴走していた魔力は、
まるで泣き崩れるように消えていった。
ロヴィーノは力の抜けたフェリを抱きとめ、
その背に回した腕にぐっと力を込めた。
「……遅くなって、悪ぃ」
フェリシアーノはロヴィーノの胸元に顔を埋め、
小さく嗚咽を漏らした。
「ロヴィ……っ、こわかった……!」
「もう大丈夫だ、ばか弟……!」
広間には、崩れた魔王城の瓦礫と、
暴走魔力の残滓の黒い煙が薄く漂っていた。
ロヴィーノは、腕の中でぐったりとしたフェリシアーノを抱えて座り込んでいた。
胸元に触れる体温が、
さっきより明らかに弱い。
「フェリ……おい、フェリ……! しっかりしろ、このやろ……!」
震える声で呼びかけると、
フェリシアーノはゆっくり瞼を開けた。
「……にい、ちゃん……?」
かすれた、細い声。
魔力暴走の反動が、
身体を内部から壊していっている。
フェリシアーノもわかっていた。
ロヴィーノも、わかってしまっていた。
「にいちゃん……お願いが、あるんだ」
その言葉だけで、胸が嫌な音を立てた。
「……やだ。聞かねぇよ」
拒絶した声は、もう崩れそうだった。
それでもフェリシアーノは微笑む。
「俺を……刺して」
「っ……!」
喉が焼ける。
心臓が裂けるみたいだった。
「ばっ……か、何言ってんだ……!そんなこと……できるわけ、ねぇだろ……!」
フェリシアーノは首を横に振り、
苦しそうに呼吸を整えながら続けた。
「俺……魔王になって、たくさん迷惑かけた。
いっぱい……壊した。……それは、俺が償わなきゃいけないことだよ」
「償いなんて……生きてすりゃあ……!」
「でも、もう俺……長くないよ」
ロヴィーノの心臓が、止まりそうになった。
フェリシアーノは胸に手を当て、
震える指先で、かつて兄に甘えたように軽く服を掴む。
「魔力……暴走させたとき……わかったんだ。俺の身体、もう……限界なんだって」
「嘘だろ……嘘だって言えよ……フェリ……」
「……ねぇロヴィーノ。どうせ死ぬなら……勇者の“兄ちゃん”の手で死ぬ方が……俺、嬉しいんだ」
涙がぽたりと落ちた。
それはフェリシアーノ自身の涙だった。
泣いてるのに、笑っている。
笑っているのに、すがっている。
ロヴィーノはもう限界だった。
喉が嗚咽で震える。
「フェリ……なんで……なんでそんな顔するんだよ……俺に……殺せって……言うなよ……!」
「ロヴィーノは……勇者だよ。俺の……兄ちゃんだよ」
細い手が、ロヴィーノの頬に触れた。
「俺……兄ちゃんに、助けてもらえるなら……怖くないよ」
ロヴィーノの瞳から、涙があふれた。
もう自分でも止められなかった。
フェリシアーノは、その涙を指でそっと拭った。
「……ごめんね、兄ちゃん。こんな弟で……ごめん……」
ロヴィーノは泣きながら首を横に振り続けた。
「謝んなよ……フェリ………こんな結末、絶対選びたくなかった……」
それでも、フェリシアーノの呼吸は浅くなる一方だった。
残された時間は――ほんのわずか。
フェリシアーノは微笑んだ。
「最後くらい……兄ちゃんに“迎え”に来てほしいよ……」
ロヴィーノはゆっくりと、震える手で剣を握った。
フェリは、嬉しそうに目を細めた。
「ありがとう……兄ちゃん」
ロヴィーノは剣を胸の前に構え、
フェリシアーノの身体をそっと抱き寄せる。
涙が止まらない。
震える声で、
それでも優しく言った。
「……フェリ。大好きだったぞ、ばか弟……」
フェリシアーノは、涙ごしに笑う。
「俺も……兄ちゃんが……大好きだよ……」
ロヴィーノは、絞り出すように
「……ごめんな」
と呟き、
そっと――愛する弟を抱いたまま、刃を刺した。
フェリシアーノは苦しまず、
兄の胸の中で、小さく息を吐き――
「……ありがと……」
そのまま、静かに目を閉じた。
ロヴィーノの叫びは、
瓦礫の広間に、いつまでも響き続けた。
ーーー
END
ーーー
ハッピーエンド、
要望があれば書きます…