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どうもきゃるきゃるきゃるんです!何ヶ月も空いてしまい申し訳ないです💦やっとできました✨
何度も言いますがこのお話には死ネタ、グロ表現がありますので苦手な方はブラウザバック推奨です!
大丈夫ですね?それではどうぞ!
第4話 何度でも
チリン チリン
微風に吹かれて音を奏でる風鈴とともに目を思わずつぶってしまいそうな太陽に照らされきらびやかとした青々しい葉。こんなに爽やかな日とは対照的に僕の胸の奥は、じっとりと重たいままだった。
にゃぽん「お兄ちゃん〜ご飯食べよ〜!」
日本「…今行きます。」
ふとカレンダーを見る。
7月16日。
8月31日にドイツが死ぬ未来を知ったまま、僕だけが同じ夏を繰り返している。
日本「……今度こそ……」
いつも通りの朝。食卓にはイタリアからおすそ分けでもらった大量のパスタが並べられていた。
日本「…こんなにもらったんですか…?」
にゃぽん「うん!イタリアお兄ちゃんが作りすぎちゃったんだって〜」
作りすぎたにしては量が多すぎる。少なくとも3日分はあるんじゃないか?
にゃぽん「今日はね!!!韓国ちゃんと一緒に買い物に行くんだ〜いいでしょ!!!」
日本「…よかったですね…」
今までのドイツの死因は鉄骨と通り魔。8月31日に遊びに行っても家で遊んでもドイツは死んでしまった。なら最初から遊ばなかったら?そうしたらもしかしたらドイツは死なないのかもしれない。
にゃぽん「韓国コスメとプリクラとりにいったり〜スタバにも行くんだよ!!!よかったらお兄ちゃんもついてきていいんだからね?」
でもその日に遊ぶことは前から決まっていたことだしドイツもイタリアも僕がその日暇なのを知っている。僕は嘘をつくのが苦手だし…どうやって断ろうかな…
にゃぽん「お兄ちゃんはスタバ行ったことある?実はねホイップ増量とかキャラメルソースが無料でつけれるんだよ〜知らなかったでしょ?」
急にドタキャンするとイタリアが駄々をこねるし…ドイツにも迷惑をかけてしまう…そうしたら…
にゃぽん「ちょっとお兄ちゃん!!!聞いてるの!!!にゃぽんのお話を聞いてよ!!!」
日本「…!?…ごめん、聞いてなかった…」
にゃぽん「も〜お兄ちゃんドイツお兄ちゃんたちと遊んだ日からおかしいよね!何かあったの?」
日本「………いえ…特に何も…」
にゃぽん「…お兄ちゃんって昔っから隠し事下手だよね。まあなんでもいいけどね〜にゃぽんはしーらない!!!ふん!!!」
日本「あっ…」
にゃぽんは僕から逃げるかのようにドタバタと玄関に行ってしまった。…悪いことしたな…
にゃぽんが出て行ったあとどれくらい時間が経ったのだろうか。家の中は時計の秒針がはっきりと聞こえるくらい静かになった。その音すら自分がドイツを救えなかったことを責めているように聞こえた。
日本「……」
食欲なんてなかった。
テーブルに置かれた冷めたパスタを見つめながら、僕はぼんやりとカレンダーを見た。
7月16日。
まだ、時間はある。ドイツが死ぬ日まであと一か月以上ある。
なのにどうして、こんなに怖いんだろうか。
胸の奥がざわつく。目を閉じると、どうしてもあの声が浮かんでしまう。
“あと少しで着くから待っててな”
その直後。途切れた電話。冷たくなる指先。
日本「……っ」
思わず口元を押さえた。
気持ち悪い。また吐きそうだ。
僕はふらつく足で洗面所へ向かった。
何度も何度も冷たい水で顔を洗う。でも嫌な汗が引かない。鏡に映る自分の顔は、ひどく青白かった。
日本「……僕が……守らなきゃ……」
でも。
どうやって?
何をしても死ぬなら?
遊びに行っても行かなくても。
未来が形を変えるだけなら――
ピンポーン
突然のチャイムに肩が跳ねる。まさか、もう何か起きた?…足が震え嫌な想像ばかり浮かんだ。そんなこともお構いなしにまたチャイムが鳴った。
ピンポーン
イタリア「にっほーん!!いるー?」
日本「……イタリアさん?」
扉を開けると、そこにはコンビニ袋をぶら下げたイタリアが立っていた。
イタリア「じゃーん!アイス買ってきたんね〜!」
日本「……え?」
イタリア「ほら、日本元気なかったからさ〜。イオなりのお見舞い!」
そう言って笑う顔は、いつも通り明るい。
なのに……何故だろう。少しだけ違和感があった。
日本「……ありがとうございます。パスタもらったばっかなのに…」
イタリア「そしておじゃましまーす!!!」
僕の言葉を遮るように勢いよく言った。全く…この人は…
勝手知ったる他人の家みたいにずかずか入っていく。その後ろ姿を見ながら、僕は扉を閉めた。
リビングへ行くと、イタリアは早速アイスを広げ始めた。
イタリア「にゃぽんちゃんいないのー?」
日本「韓国さんと遊びに行きました。」
イタリア「あー!いいなぁ青春!」
日本「イタリアさんも青春してるじゃないですか……」
イタリア「え〜?そうかな〜♪」
どさっとソファに座りながら、イタリアが僕を見る。
イタリア「はい。日本、これ。」
差し出されたのは、僕の好きな抹茶アイスだった。
日本「覚えてたんですか…?」
イタリア「もっちろ〜ん!当たり前なんね〜♪」
その何気ない優しさに、胸が少し痛んだ。
日本「……ドイツさんは?」
イタリア「図書館行ってるよ〜。宿題終わらせるんだって。」
日本「まだ夏休み前なのに…」
イタリア「カタブツなんね〜」
ふふっと笑いそうになった。
いつもの会話。
いつもの空気。
何も変わらない。
……変わらないはずなのに。
日本「……イタリアさん。」
イタリア「ん?」
日本「もし……もしですよ?」
言葉が詰まる。
聞くべきことではないとはわかっていた…でも、聞きたかった。
日本「……誰かが、死ぬ未来を知ってたら……どうしますか?」
空気が止まった。
風鈴の音だけが、遠くで鳴る。
チリン。
イタリアの笑顔が、一瞬にして消えた。
イタリア「……ふーん。」
にこっと笑う。なんの冗談を言っているんだという顔。いつもの顔なのに何故か、背筋が寒い。
イタリア「日本って、意外と重い映画とか好きだったんね?」
日本「……っ」
誤魔化された。そう思った、けれど。
イタリアはアイスの棒をくるくる回しながら、ぽつりと言った。
イタリア「でもさぁ…知ってても変えられないことってあるんね。」
日本「……!」
イタリア「頑張っても頑張っても、だめな時ってある。」
その声は、ひどく静かだった。いつもの軽い声じゃない。
…まるで、経験した人みたいな。
日本「イタリアさん?」
イタリア「……なんでもない!」
少し悲しそうな顔をしていたのにぱっと笑顔に戻った。
イタリア「それより日本!今日顔ほんとやばいよ!?クマすごい!」
日本「……寝れてなくて。」
イタリア「え。」
笑っていた顔が止まる。
イタリア「……何日?」
日本「……え?」
イタリア「何日ちゃんと寝てないの?」
日本「……三日くらい……?」
正確にはもっとだ。眠るのが怖かった。
また、あの日を見る気がして。
また、あの音を聞く気がして。
イタリア「……」
珍しくイタリアが黙る。
その沈黙が妙に怖かった。
イタリア「……ねぇ日本。」
日本「はい?」
イタリア「ドイツに言った?」
日本「………何をですか?」
イタリア「辛いってこと。」
日本「……」
…気づいてたんだ。
イタリアに察せられたとしてもドイツに言うわけには行かない。
きっとドイツに言ったら、あの人は絶対僕を優先する。
優しいから、優しすぎるから。
…そのせいでまた死ぬかもしれない。
日本「……言えません。」
イタリア「……そっか。」
少しだけイタリアの顔が苦しそうに見えた。
イタリア「日本さ、」
日本「……?」
イタリア「ドイツ、思ってるよりも気づいているからね。」
その言葉に、心臓が止まりそうになった。
日本「…そう…ですね…」
ドイツは察する能力が高い。前々からそうだった。まるで自分を目に追っているように感じるほどドイツは自分の少しの違いでも気づいてくれる。…しかしその優しさが、今になってはかえって僕を苦しめる。
イタリア「ドイツは見ないふりしてくれているけど気づいていると思うよ。」
日本「…」
イタリア「伝えてあげた方がいいんじゃないかな、自分が辛いってことを。」
風が吹く。
チリンとどこかの風鈴が鳴る。
その音に紛れるみたいに、イタリアは小さく笑った。
イタリア「……だって。」
イタリア「壊れる時って、一瞬だから。」
その目だけが、笑っていなかった。
おかえりなさい〜今回は長すぎるので一旦ブチっと切りました。次回は250♡でお願いします!またお話ができ次第載せますね!