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静かな病室にポツリとしながら綺麗な気色の映る窓の外を眺める君の横顔。 その美しい顔ををじっと見つめるにつれ私は君の顔に見惚れて時が止まっているような気がした。
「マリン、綺麗ぺこな。」
そう呟くとまた時が動き出した、そんな気がした。
6月、少し暑いように感じ始める立夏の季節だ。 静かで雰囲気が落ち着いているカフェ、私は軽くスマホの電源を入れ時間を確認し溜息をつく。 遅い そう思いながらまたスマホで確認した。14:12、約束の時間は14:00だったはずだ。 飛んだヘマをかましてるな。 軽く貧乏揺すりをしながらコーヒーを口にする。
「ぺこらあ〜!」
「!?」
コーヒーを飲んでる最中に、私を呼ぶ声が聞こえてきた。 あまりにも急だった為少しむせ苛立ちそうだったが、相方を見てみると可愛らしいワンピースが目に入ると怒る気力なんて失った。
「ごめ〜ん!遅れた!申し訳ない!」
「別にいいぺこよ、気にしてないぺこ。」
「んだよぉ〜やっさしぃなあ?」
「うざいぺこ。」
明らかに舐め腐った態度で 言われてやはり許さない方が良かったのかと思いながらも、せっかく遊ぶんだからと一旦気を許した。
「ん〜、最初どこ行きます~?」
「川とかどうぺこ?」
「えぇ〜?まだ川は寒くな〜い?」
「…じゃあショッピングモールとか?」
「いーじゃん!行こ行こ!」
そう言ってはゆっくりと街路を歩く。 立夏のの割には暑く、空も雲ひとつもない。 だがその天気の良さのおかげなのか相方がいつもより美しく見えた。
「ぺこら〜。」
「なにぺこ?」
「そういやなんで今日予定取ったの?」
「ただ単に暇だったからぺこ。」
「へえ〜バイト休みだったとか?」
「そういう事ぺこ。」
歩きながら軽い会話を繰り出してくれる相方のコミュ力にはありがたく思っている。 実際こうやって話すのが楽しい。 そうやって話ながら一緒にショッピングを楽しんだ。 そしてショッピングモールを楽しんだ後、軽くコンビニでアイスを買ったり、おにぎりを買ったりとしてお腹を膨らませる。 まだ時間があるからと次に向かう場所を話し合って決める。
17:37、遊ぶ時間も終盤に迫ってきた。
ちゃぷ
「冷てえ〜!」
「www 気持ちいぺこだろこれ〜!」
「言われてみれば…?」
「でしょでしょ〜?」
「てか結局川来ましたよね〜。」
「だね〜、でも〆はこれでいいんじゃないぺこか?」
「確かにぃ〜これはこれでいいですね!」
「落ち着くぺこ〜!」
「マリンと一緒は落ち着くってか〜?」
「そうぺこよ?」
「…!?」
「ぺ、ぺこらあ〜❤︎」
「き〜も〜い〜ぺ〜こ!」
「ねね、ぺこらぺこら!」
「なにぺこ?」
「あの石キラキラしてて綺麗じゃない?」
「んまあ、綺麗ぺこね。」
「でっしょお〜!持って帰っていいと思う!?」
「別に大丈夫ぺこでしょ、1個ぐらい。」
「よっしゃあ!持って帰ろ〜♪」
とてとて と歩いて、相方は綺麗に輝く小さな石を持ってまた此方へ帰ってきた。
「宝石みた〜い、!」
「んん〜…確かに?」
「もしかしたらレアなんじゃないですかこれ!」
「無くさないようにしないとぺこな。」
「もちろん。」
「じゃあ、帰るぺこか。」
川から付けていた足を取り出し、タオルで拭き靴を履く。 帰っている最中にあの綺麗な石の事を考えてしまう。
そして月日が経ち、7月の下旬。 大体そのくらいからが最も暑い頃だろう。 陽光は眩しく蝉の声が並外れてうるさい。
「あぢぃー…。」
「干からびそうぺこ…。」
私は棒アイスをしゃぶりながら日差しを避けるように日陰を歩く。
「今日はこのくらいにして帰ろうぺこ。」
「そうですねえ〜…。」
「あっ、今日バイトあるんだったぺこ! マリン! また今度会おうぺこね!」
「え、あ はーい!!」
ふと今日はシフトが入ってた日だった事を思い出した。 急がなければ。
20:00。 やっとバイトが終わった。 今日はお客さんがかなり居たなと思いつつも自宅の扉を開けベットに倒れる。
「は〜っ!疲れたぺこ!!」
「今日は早寝でもしようぺこかあ。」
そのまま疲れて寝ようとしたその時、
プルルルル … ゞ
誰かから電話が掛かってきた、なんだもう人が寝ようとしてる時になんなんだと思いながら電話に出る。
「なんですか、なにかようで…」
「…っ..ぐす…ぺこら..ぁ…。」
「マリン!? なんかあったぺこ!?」
電話越しには相方の啜り泣く声、なにかあったのだろうかと心配になる。
「マリン…なんか変だよぉ..」
「待ってろぺこ!! 今行ってやるぺこ!」
電話を切り、スマホをポケットに入れて急いで家から飛び出した。 一体なにが痛いのか、本当になにがあったのかと走りながら考えた。
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コメント
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1年ぶりに見た気が、こんちゃんの小説…、 相変わらず神だな
気分で続き作ります。